営業戦略の立て方3つのポイント

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潤沢に営業リソースがある企業でない限り、限られたリソース(ヒト・モノ・カネ・時間)を最大限に活用して業績をいち早く伸ばしていく必要があります。そのためには的確な営業戦略の策定・実行が重要ですが、

  • 営業戦略の立て方がよくわからない
  • 概念的な理解は出来ているが自社の現状にうまく落とし込めていない
  • 戦略の効果測定ができていない

といったケースが多くみられるようです。

また、戦略と戦術との区別がよくわからないまま、戦略をきちんと決められずに活動している企業も少なくありません。そこで、「営業戦略とは何か?」「具体的にどう戦略を策定し、どう実践していけばいいのか?」「戦略の効果測定と見直しはどう行うか?」などについて、重要な3つのポイントをご提案したいと思います。

CONTENTS

1. ――営業戦略とは何か?
2. ――営業戦略における3つのポイント
3. ――まとめ

1.営業戦略とは何か?

私たち「ちきゅう」では、営業戦略をひと言でいうと「営業目的を達成するための総合的な戦略」と考えています。

ちなみに、戦略と戦術の違いは、

戦略・・・目標達成のための長期計画を立て、そこから逆算して現時点での方向性と行動(経営者・経営陣が心に留めるべきこと)
戦術・・・戦略を具体的に実行するための方法(社員への指示に落とせること)

とまとめることができます。

戦略と戦術の違いを、わかりやすくたとえるなら、

「受注案件は順調に増えているが、案件あたりの単価が小さく利益率が低い。将来を見据え、この四半期は年商100億円以上の大企業からの受注を30%増やそう」

といった大枠の方向性や方針を策定するのが営業戦略で、

「目標を達成するため、小規模の既存顧客に対する訪問頻度を半分に減らし、大企業に対する接触機会を2倍にしよう」

といった具体的方法を策定するのが戦術、というように考えられます。

ちなみに、営業が主体の会社の中には、当期売上の目標額だけを設定して「営業課員が全員ノルマを達成すれば売上目標は達成できる。とにかくリスト先に電話をかけまくれ!」などという力技の「戦略なき戦術」を展開しているケースもみられます。

この方法でも、「セールストークを上達させるための社内教育を行う」「大きな売り上げが狙える見込顧客にスキルの高い担当者をつける」など、戦術面ではいろいろな工夫ができます。しかし、基本となる戦略がないと、リソースの消耗が大きい割に業績がある一線を越えられないといった「頭打ち」の状態に陥りやすくなります。
「戦略なき戦術に勝利なし」というビジネスの鉄則があります。

まずは、自社が実現したい長期目標をもとに中期・短期の戦略を立て、それを実現させるための戦術を練る。このような段階的な戦術・戦略の策定と実行が望ましいのではないでしょうか。

また、戦略も戦術ももともとは「戦」、つまり争いの考え方から発生した概念ですが、ビジネスにおける戦略・戦術とは、ライバル企業や競合他社に勝つというだけでなく、自社の理念やビジョンなどの「実現したいこと」を実現するためのものであるということも忘れずにいたいものです。

2.営業戦略における3つのポイント

1.選択と集中

「選択と集中」という言葉は、1980年代にGE(ゼネラル・エレクトリック社)のCEOを務めたジャック・ウェルチ氏の戦略のなかで使われたキーワードです。

「自社の得意とする事業分野を明確にして、経営資源を集中的に投下せよ」との教えです。

また、1990年代にキヤノン、ホンダ、ソニーなどの日本企業がなぜアメリカ市場を席巻することができたのかを研究したロンドン・ビジネス・スクールのゲリー・ハメル教授と、ミシガン大学のC・K・プラハラード教授は『コア・コンピタンス経営』という著書を出しました。

これは、「競合がある市場において、他社にない自社独自の能力(コア・コンピタンス)は何かを理解し、コア・コンピタンスを最大限に生かす戦略を描け」というものでした。もうすこし噛み砕いて説明すると、「お客様は、自社の商品・サービスのどこにお金を払ってくれるのか?」を明確にし、それを最大の武器として磨きをかけろということです。

こうした「選択と集中」を念頭に、半期、四半期という短い単位ごとに、「この期間は何にフォーカスするのか」という短期目標を営業戦略に掲げるべきだと私たちは考えます。

小規模企業のリソースは限られているのですから、総花的な戦略を立ててリソースを分散させては、競合他社に勝つことは難しいでしょう。「大切なことはいろいろあるが、そのなかで、特に今期はこの1点に集中する」という絞り込みが重要です。

2.戦略は「ひと言で言い切れる」ようにする

目標が十分に絞り込めたら、それをひと言で言い切れるようにまとめましょう。これは、戦略を組織全体に誤解なく、ブレなく、薄まることなく浸透・意識統一させるために重要なことだからです。 そのためには、たとえば「Sランクの新規顧客を10社獲得する」といった、数値的目標を含むものが望ましいでしょう。直近で優先順位がもっとも高いものは何か、誰もがこのひと言で理解できます。 戦略は、社員に理解してもらうためのものではありません。理解したうえで行動してもらうためのものです。戦略のスローガンは、シンプルであればあるほど実践的でムダのない行動につながるでしょう。

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3. KPIの設定と監視

KPI(Key Performance Indicator=重要業績評価指標)とは、目標の達成度を評価するための重要な指標のことです。現在の営業状態がどうなっているのかを評価・把握し、今後どうなるのかの予測を立てるために用いられます。具体的には、「営業戦略で立てた目標のゴール地点まで今どのくらい近づいているか?」を知るための道標だということです。

営業活動におけるKPIとしては、もちろん業界業種、業態、営業スタイルなどによってさまざまですが、一般的には、新規獲得顧客数・売上達成率・見込顧客獲得目標達成率、既存顧客の損耗率などが代表的なものとして挙げられます。

適切なKPIを設定することで、自社がいま正しい方向に正しい速度で進んでいるかどうかを確認できます。
もしも進捗が芳しくない、あるいは予想と大きくはずれた方向に進んでいると思われる場合は、PDCAサイクルによる評価と改善によって営業戦略の見直しを行い、軌道修正するべきでしょう。そのためには今年度・今期・今月といったスパンでこれらのKPIを常時監視します。できれば日時単位でKPIに関するデータを把握・分析できることが理想ではないでしょうか。

なお、KPIをリアルタイムで監視することをBAM(Business Activity Monitoring)といいます。BAMによって、経営者および営業責任者、あるいは各営業担当者が営業状況を迅速に把握できるようになり、問題や問題のインシデント(予兆となる出来事)を迅速に抽出できるようになれば、それは営業戦略や戦術のプロセスを早急に改善することに役立ちます。

「ちきゅう」も、このようなBAMにご利用いただけるよう、現場でのデータの入力しやすさや、直感的に各データを俯瞰・把握しやすいユーザーインターフェースを念頭に開発を進めています。

3.まとめ

本文で掲げた3つのポイントをまとめると、「直近にやることを絞り込む。それをわかりやすいひと言で営業戦略にまとめ、全社的に徹底・集中させる。営業戦略を実行する段階では、KPIを監視しながら、できるだけ短いスパンでPDCAサイクルを回してひんぱんに営業戦略の最適化を行う」ということになります。

また、「戦略なき戦術」、つまり目先の売り上げだけを追い、目先のデータに反応して対症療法的に戦術を変えていくだけでは、企業活動は時間の経過とともに停滞・縮小していきます。大局を見極め、「我が社は5年先、10年先にどうなっていたいのか?」といったビジョンを持ち、「それを実現するためには、今期の営業戦略はどのように設定するべきか?」という時系列の逆算から営業戦略を策定することが重要になってきます。

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