意思決定を効果的でスピーディーにする方法とは

Pocket

写真

経営者にとって、会社の成長は喜ばしいものです。急成長を望まない経営者はいないのではないでしょうか。

しかし、創業当初は志を同じくするメンバーと直接協議して簡単に意思決定できていたものが、組織の拡大によって考えるべき要素が増え、次第に意思決定は難しいものとなっていきます。しかし、トップの意思判断にはスピードも求められます。

「意思決定をもっと効果的でスピーディーにするためにはどうしたらいいのだろうか?」とお悩みの経営者の方も多いのではないでしょうか。そこで、経営者や部門責任者のために、効果的かつスピーディーな意思決定に役立つ方法をご提案したいと思います。

CONTENTS

1. ――意思決定の有効性を高めるポイント
2. ――システムシンキングのすすめ
3. ――PDCAサイクルを短くする
4. ――意志決定を組織に共有・浸透させるスピードにも配慮を

1.意思決定の有効性を高めるポイント

経営者に求められる意思決定を、次のように「経営全般」と、特に企業のために重要な「営業戦略」とに分けて話を進めます。

1.経営全般

経営全般の意思決定の効果を高めるためには、

  • 経営情報がリアルタイムかつ簡単に自分に集中する「しくみ」をつくる
  • データを重視し、断片的な情報や思い込みによる意思決定を排除する
  • システムシンキングによって課題の本質を抽出し、解決する

といった方法が有効です。

具体的な「しくみ」としては、後述するCRMツールやグループウエアなど、ITツールを活用して、社内で発生した経営に影響を及ぼす可能性のあるインシデントをひとつに集約するといった方法が挙げられます。多くの情報をリアルタイムで集約・共有でき、意思判断をスピーディーにすることに役立ちます。

ただし、ツールを導入しただけで意思決定が効率化するわけではありません。

インシデントが発生した段階で、担当社員がそれをデータ化して入力し、それを誰が閲覧できるようにするかといった組織的なしくみづくりも重要です。このような総合的なしくみづくりによって、組織全体の「見える化」が進み、瞬時に会社の今の状況を把握できるようになるでしょう。

また、経営情報が俯瞰できるようになると、データという動かしがたい事実を中心に物事を考えられるようになります。

もちろん、経営者には経験や勘が必要な場合もあります。しかし、経営情報を分析してみると、ベテランの分析者でも思わぬ勘違いや見落としをしていることが少なくありません。

データを駆使することによって、経営判断の精度を高めるとともに、データに裏付けられた強い説得力を判断に添えられるようになります。

システムシンキングについては後述しますが、要は、「事象の要因をあきらかにし、その関係性や流れをシステム図として図式化することにより、「経営」という多くの要素が複雑に絡み合う事柄をひとつの「系」として捉えることができるようになります。システムシンキングによって、経営判断の際に考慮すべき各要素の関係性や重要性が「見える化」され、思考が整理され、方向性を見つけやすくなるといったメリットがあります。

2.営業戦略

営業戦略を策定することは経営者の重大な役割ですが、戦略の策定にあたっては顧客情報の管理と分析が欠かせません。

  • 顧客のトレンドを知り、どの層の顧客を今後のメインターゲットとするべきかを決める
  • 受注時期や売上達成率などの予測を、データに基づき高い精度で行う
  • 営業活動の進捗状況をリアルタイムに把握し、戦略・戦術の見直しを行う

顧客情報を適切に管理・分析することでこのように意思決定に役立ちます。

また、限られたリソースで最大の業績をあげるためには、リソースを「自社の強み」に集中し、強みがもっとも有効に発揮できる見込み顧客層に集中投下するべきです。

顧客データの分析により、「自社の強み」が何か、「もっとも成果が望めるターゲット」はどこかを、素早く抽出できれば、効果的かつスピーディーな意思決定に大きく役立つでしょう。

04_選択a_2

2.システムシンキングのすすめ

どんな企業にも、多くの課題があるはずです。

アイデアひとつで解決できるような課題は少なく、さまざまな要素が複雑に絡み合って解決を困難にしているケースが大半でしょう。

こうした複雑な課題に取り組むために、システムシンキングは非常に有効な思考法です。

「ちきゅう」の代表・浅井が書いている「ちきゅうのブログ」(https://chikyu.net/chikyu_blog/)では、「四角のなかに短い言葉が書かれ(要素)、各要素が矢印で結ばれている」というシンプルな図をよく使っていることをご存じの方も多いでしょう。あれがシステムシンキングのシステム図です。

マインドマップとも似ていますが、システム図はよりロジカルで、「思考の流れ」を表現しやすいという特徴があります。また、マインドマップは思考を整理するためのツールですが、システムシンキングは「課題を根本的に解決する」ことを目的としています。

また、矢印によって各要素に「こうすることによって、こうなる」という流れを与え、すべての要素が最終的に「循環する系」としてまとまるという点にシステムシンキングの大きな魅力があります。

たとえば、「商品の差別化」→「市場シェアの向上」→「売上増」→「スケールメリットによるコスト減」→「開発費の増加」→「商品の差別化」といった、好循環の流れを生むための要素をうまくシステム図に表すことができます。

ただし、実際の経営課題はもっと複雑で、構成要素が数十あるいはそれ以上になり、それらを循環する系にまとめるためにはかなりの試行錯誤が必要となるかもしれません。

しかし、経営課題を「見える化」して思考を整理するには極めて効率的な方法です。

3.PDCAサイクルを短くする

意思決定を効果的かつスピーディーにするためには、さまざまなPDCAサイクルの周期を縮めることも非常に重要です。

計画(plan)→実行(do)→評価(check)→改善(act)の循環であるPDCAサイクルは、周期が短ければ短いほど価値や精度が高くなります。

たとえば、資金計画を立てる際、年に1回の本決算のデータだけで経営状況を評価し、改善策を考えていたのでは、1年に1回しかPDCAサイクルを回せません。

上場企業では四半期決算が義務づけられ、実質的には月次決算が必要不可欠となっています。これはPDCAサイクルを短くすることで、経営上の問題点を素早く発見して対策を立てたり、最新の経営情報を営業戦略に反映して戦略の精度を高めたりすることに大いに役立ちます。

財務や経理方面では、こうしたPDCAサイクルを短縮するための財務・経理ソフトを導入している企業が数多くみられますが、営業面では、顧客管理・商談の進捗管理などにPDCAが欠かせないにもかかわらず、サイクルを短縮するために役立つCRMツールやSFAツールを導入する企業がまだまだ少ないようです。

経営者が意思決定に割ける時間は限られているのですから、時間を最大限に活用するために、こうしたツールの導入も考えてみるべきかもしれません。

なお、CRMとは”Customer Relationship Management”の略で、顧客との良好な関係を継続させることを目的とした営業手法です。「ちきゅう」もCRMツールに分類されます。

一般的なCRMツールでは、顧客情報データベースを中核とし、このデータベースに顧客情報、商談の進捗状況、売上状況などの情報が蓄積されていきます。このデータベースから必要な情報を抽出し、営業戦略上の意思決定などを行うために支援するのがCRMツールの役割です。

4.意志決定を組織に共有・浸透させるスピードにも配慮を

経営者の意思決定を効果的かつスピーディーにするためには、上記で掲げたように、

  • 経営データを重視すること
  • 必要な経営データを経営者にリアルタイムで集中させること
  • ロジカルシンキングにより、課題の本質を抽出してその解決策を見つけること
  • あらゆるPDCAサイクルを短縮させること
  • CRMツールなどの情報システムの導入も検討すること
  • ツールの導入に際しては組織的なしくみづくりも必要であること

などが役立つと考えられます。

なお、経営データに関しては、経営者だけでなく各部門の部門長、責任者といったキーマンともある程度共有するといいでしょう。そうすることによって「データ・数値の意識づけ」が組織のメンバーに徹底され、トップの意思決定の背景や決定理由などが理解しやすくなり、組織全体の行動がスピーディーかつ高精度になるというメリットも得られるようになります。

Pocket

TOPへ戻る