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「新規顧客より既存顧客の維持を目指せ。」顧客維持の方法とは?

企業を安定的に成長させるためには、既存顧客に対する安定した売上のうえに新規顧客の売上を積み上げなくてはなりません。

もちろん新規顧客の獲得も大切ですが、新規顧客を獲得するには大きなコストがかかります。新規顧客の獲得コストは、同程度の売上が期待できる既存顧客の維持コストに比べて4~5倍もかかるというのが一般的な目安です。

こうしたことを考えると、既存顧客と末永く良好な関係を維持し、顧客生涯価値の拡大を目指すことの重要性がよくおわかりいただけるのではないでしょうか。

ただし、顧客維持のためには、顧客満足と商品の魅力を維持し続ける必要があります。既存顧客をつかんで離さないための、ちきゅうメソッド流の顧客維持法についてお話ししましょう。

CONTENTS

1. ――顧客ごとにカスタマージャーニーマップを描く
2. ――ヒアリングで仮説を検証する
3. ――顧客から吸い上げた意見やニーズをプロダクト/サービスに反映させる
4. ――顧客満足指数にKPIを設定し、PDCAサイクルを回す
5. ――顧客を維持していくうえでの注意点

1.カスタマージャーニーマップを描く

「カスタマージャーニーマップ」というものをご存じでしょうか。顧客が自社の提供するプロダクト/サービス(以下、自社製品)を利用するうえで得られる体験や感情の動きの文脈を、時系列に可視化(図表化)することで、顧客に対する理解を深めるためのツールです。

…と、文章で説明すると非常に難しそうですが、カスタマージャーニーマップに特にフォームやルールはありません。「自社の顧客はどのように感じ、考え、行動するか?」が時系列順にわかればいいのです。

既存顧客からは、インタビューや商談を通じての生の声・率直な意見といった精度の高い顧客情報を得やすく、また、アンケートなどを通じて多角的で豊富な顧客情報が蓄積されているはずです。

こうした顧客情報をもとに、Bコアな顧客のペルソナを設定してカスタマージャーニーマップを作成してみましょう。

 

ちきゅうのブログ 「カスタマージャーニーマップ、作ってみました」

http://chikyu.net/chikyu_blog/20151125_customerjourneymap/

 

で、シンプルなカスタマージャーニーマップの例と考え方をご紹介していますので、ご参考にしていただければ幸いです。

カスタマージャーニーマップを使うことで、UX(顧客体験=顧客の自社製品に対する事前期待・使い心地・感動・満足・印象などの総称)の全体像をシンプルで視覚的にとらえることができ、顧客本位の立場から、顧客満足向上のためのさまざまな施策が考えられるようになります。

自社製品を提供している側は、「自社製品のことをよく知っている」という先入観にとらわれやすく、それが顧客に実際にどのように活用され、どのようなUXを与えているのか、といった顧客側からの視点が欠落しがちです。

しかし、顧客が「今後も継続して自社製品を選び続けるかどうか」は、顧客満足にかかっています。

顧客を長期的に囲い込み、安定した売上を継続するためには、UXを把握し、常に「事前期待を上回る顧客満足」を提供し続ける努力が必要です。カスタマージャーニーマップの活用はこうした顧客のUXを理解するうえで役立つでしょう。

「まだカスタマージャーニーマップを作成したことがない」という方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度作成してみることをお勧めします。

その次に、カスタマージャーニーマップをベースに、「顧客の真の課題とは何か?」「これから顧客とともに目指すべきゴールはどこか?」といった、顧客本位の仮説を立てます。

ちなみに、ちきゅうの場合は、「ちきゅうが(顧客の)企業価値を高める存在となっている」という顧客とのWin-Winの関係を将来のゴールとする仮説を立てています。

2.ヒアリングで仮説を検証する

長期にわたって顧客と良好な関係を維持していくためには、定期的に顧客と直接接触する場を設けることも重要です。

もちろん日頃の訪問による商談の際にも随時接触はしているわけですが、ちきゅうメソッドでは、それとは別に、顧客満足の度合いや自社製品に対するニーズ、不満、今後の期待などを直接ヒアリングするための機会を定期的に設けるべきだと考えています。

上記のカスタマージャーニーマップの項では、「UX分析に基づいて、顧客の真の課題や、ともに目指すべきゴールの仮説を立てるべき」と書きましたが、その仮説を検証するための機会が、こうした定期的なヒアリングで得られます。顧客とともに仮説を検証することで、仮説に間違いや過不足があればそれを軌道修正しましょう。

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3.顧客から吸い上げた意見やニーズをプロダクト/サービスに反映させる

ヒアリングなどによって顧客から吸い上げた意見やニーズは、長期にわたって放置するべきではありません。

仮説に対する検証で得られた「結果」は、できるだけ早い段階で、顧客の目に見える形の「成果」に変えていく必要があります。

こうした活動は、顧客から見れば「提供した意見や情報が、自分の意に沿う形で商品に反映された」という良好なUXとなります。「顧客の声にきちんと応えてくれる会社」としてロイヤルティの向上、ファン心理の形成にも役立つでしょう。

ただし、顧客の希望やニーズをそのまま鵜呑みにして自社商品に反映すればいいというわけではありません。「その意見の本質はどこにあるのか?」を検討し、顧客の真の課題を定義する必要があります。その結果をプロダクト/サービスに反映させることで、顧客にとって真に魅力的な商品を開発することができるでしょう。

ビジネスにおいては、「顧客にとって良い商品を提供すること」こそが最高の顧客サービスであり、顧客満足向上につながるのではないでしょうか。

4.顧客満足指数にKPIを設定し、PDCAサイクルを回す

ちきゅうメソッドでは、企業経営のあらゆる局面でPDCAサイクルを回すことを重視します。

PDCAサイクルとは「計画」→「実行」→「評価」→「改善」の好循環ですから、「評価」の基準となる指数の設定が必要となります。

では、顧客満足を測定するにふさわしい指数、とりわけKPI(重要業績評価指標)とするべき指数にはどのようなものがあるでしょうか。

単に顧客アンケートで「弊社の提供する商品・サービスに満足している」という設問に対して「Yes」と答えてくれた数をカウントすればいいというわけではないでしょう。顧客満足は「次の購買・契約」に結びついてこそ初めて意味があるからです。

では、次の購買・契約に結びつく顧客満足とはどのようなものでしょうか。

私たちは、それは「顧客が自社製品を選ぶことによって、その課題が解決できるWin-Winの関係になれているかどうか」ではないかと考えます。

たとえば、「新製品の導入をご提案した時、興味を示してくれる頻度」「ご提案~クロージングまでの期間の短さ」などの好意的レスポンスと、一定期間ごとの購入額/契約額(Sランク客かAランク客か、など)との相関関係など、「顧客と自社とがWin-Winの関係になれているかどうか」を確かめられる指数を探してみてください。

5.顧客を維持していくうえでの注意点

企業の経営資源には「ヒト・モノ・カネ」といったリソースがありますが、これらにはいずれも限りがあります。特に成長過程にある企業では、これらの限りある経営資源を「選択と集中」によって効率的に配分し、最大の成果を目指す必要があるでしょう。

これは、顧客を維持していくうえでも重要な考え方です。

たとえば商品/サービスを改善していくために顧客の声に耳を傾けることは重要ですが、すべての要望を取り入れてしまうと、商品のコンセプトや特徴がボケてしまったり、オーバースペックになって、売上に対してサービスコストばかりが上昇してしまったりするリスクがあります。

また、既存顧客のすべてをつなぎとめることも、企業や事業の成長には弊害をもたらすことがあります。

「顧客を切り捨てろ」というわけではありませんが、事業戦略によっては「一部の顧客が離れていくこともやむをえない」という覚悟を決めなくてはならない局面があるということです。

万人向けの、あたりさわりのないサービスを提供するといった消極的な顧客維持法が会社のためになるとは限りません。むしろ、「自社のビジョンに合わない顧客とはクロージングしない」という勇気を持つことも、時として必要ではないでしょうか。

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