営業力アップに向けた研修・教育プログラムのポイント

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営業力の強化。それは規模の大小を問わず、経営者にとって永遠の課題かもしれません。営業部門は業務の入り口であり、すべての顧客との関係が始まるスタート地点です。

営業という業務は、それ自体が個人の能力に負うところが大きいため、均質化や全体的な底上げが難しいという声も聞こえます。従来、営業ノウハウと呼ばれるものの多くが、個人の経験の蓄積や勘に頼る部分が大きかったことがそのおもな要因といえるでしょう。ですが、そうした個人的なスキルの本質をかみくだいて説明し、誰にでも活用できるものとして共有すれば、営業チームの地力は確実に底上げできるはずです。

それを実現するのが営業スタッフの研修・教育プログラムです。

こうしたプログラムを活用して人を育て、現場に活かす。そのためのポイントを考えてみましょう。

CONTENTS

1. ――外部の力を有効活用する
2. ――営業研修の例
3. ――教育は計画を立てて戦略的に
4. ――成長を実感させることも必要
5. ――現場へのフィードバックで確実な成果を

1.外部の力を有効活用する

いつの時代にも「営業の神様」的存在はいるものです。自分自身の方策を持ち、それを武器に抜群の成績を上げ続ける。そうした敏腕営業マンに直接教えを請うことは、モチベーションを高める意味でも有益かもしれません。自社のトップセールスマンを講師にし、社内研修を行うのも良いでしょう。

ですが「営業のプロ」が必ずしも「営業教育のプロ」とは限りません。独自の視点や理論は大いに参考になることがありますが、汎用性という点で考えると、必ずしも多くの人間が同じ手法を実行できるわけではないのです。

むしろ、社外のビジネススクールやマネジメントスクールを活用し、客観的に自社の規模や状況を把握し、目指している着地点などに合わせた社員研修・社員教育を行ったほうが、より明確な成果につながることが期待できるでしょう。

2.営業研修の例

ここで、マネジメントスクールが提供する営業研修の例をいくつかご紹介しましょう。これらはリクルート社が開発し、自社で活用するとともにマネジメントスクールを通じて外部にも供給されている研修プログラムです。

(1)FOCUS研修

「FOCUS研修」とは、リクルート社が開発し、マネジメントスクールを通じて供給されている研修です。

その概略は、顧客の心理や関心の変化を5つの段階に切り分け、それぞれのフェーズごとにゴールを設定して、それを達成するスキルをロールプレイング形式で学んでいく、というものです。

5つの段階とは「関心→認識→選択→疑問→決定」。顧客が商品に関心を持ち、最終的に決定に至るまでの段階を、いかに確実にクリアしていくかを学ぶものです。

この研修は受講者からも好評で、しかも「成果に結びつく」と人気を集めているようです。また、直接的なスキルアップに加え、仕事がうまく運ばないときに「立ち返る場所」にもなり得ます。

例えば、途中まで商談が進んだものの、その先の交渉がなかなかはかどらない。そんなとき、現状をこの5つのステップに当てはめて考えてみる。すると「このプロセスをクリアせずに先を急いだな」とか「この段階を飛ばしてしまったのだな」ということが見えてきます。そうなれば、クリアしていないステップに立ち戻り、やり直すことが容易にできます。

https://www.recruit-ms.co.jp/open-course/dtl/K1124/

(2)STAR研修

営業職は「顧客」あるいは「担当者」という、生身の人間を相手にする業務です。当然、高いコミュニケーション能力が必要になりますが、そこにはどんなタイプの相手にも対応できるだけの柔軟性が欠かせません。

苦手なタイプの相手と、うまくコミュニケーションがとれない。あるいは、必要以上にストレスを感じてしまう。伝えたいことがうまく伝わらない。こうしたことはプライベートの場面でも多々あることです。それを「相性が悪い」と片付けるのではなく、どのように認識して乗り越えるかを学ぶのがこの研修です。

「STAR研修」の概略を述べると、まずコミュニケーションという視点で、自分自身がどんなタイプの人間かを認識します。その上で「どんなタイプの相手には、どのように接すれば良いか」というコミュニケーションのテクニックを学んでいくというものです。

コミュニケーションにおいて自分はどのようなタイプなのか。自分と同じタイプ、あるいは異なるタイプの相手に対して、どのような接し方、伝え方をするのが最も効果的なのか。苦手意識を相手に与えず、自分も感じないようにするにはどうすれば良いのか。あらゆるシーンで活用できるコミュニケーションテクニックを学ぶことができるのです。

https://www.recruit-ms.co.jp/service/service_detail/org_key/T023/

3.教育は計画を立てて戦略的に

これら外部の研修を活用するにしても、人材の育成にあたって重要なことは、第一にスケジュール感を持っておくことです。一人の人間の現状を把握した上で、1年後にどこまで育成するのか、2年後には何ができるようにしておくか。さらに3年後はどのようなポジションで、どんな仕事をこなせるように育てていくか。年次ごとにそうした目標を立てて、実現するための計画を作り、それに沿って育成していくことが大切です。

そして、それぞれの時期にどのような教育を施すのか、その内容も重要です。あまりに濃く、重い内容の研修を短期間に詰め込んでしまうと、すべてを消化しきれません。といって軽く薄い内容では意味がない、ということになってしまいます。

例えば新卒の人材ならば、まず入社後すぐにビジネスの基礎を教え込み、半年ほどあとに社内研修で自分自身のサーベイ(調査・測定)を行います。自分自身が思っている自分と、周囲の目に映る自分との差を明らかにし、それを認識しておきます。入社2年目に入ったあたりでFOCUS研修を行い、具体的な商談の組み立てを学び、さらに半年から1年ほどあとにSTAR研修。営業マンとしてのさらなるテクニックを身に付けていきます。

人の成長には時間がかかるものです。急げば早く実を結ぶというものではありません。それを踏まえた上で、戦略的な人材育成を行うことを心掛けてください。

 

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4.成長を実感させることも必要

これらの研修は、参加者を確実に成長させてくれるはずです。ですが、その効果をより確かなものにするには、研修直後に「将来の目標」を宣言させると良いでしょう。研修を受けて何を得たのか。自分がどのように成長し、将来的にどうなりたいと考えるのか。ここで言う将来とは、それほど先のことではありません。半年後でも1年後でもかまいません。近い将来の営業マンとしての目標を宣言させ、それを記録しておくのです。そして半年後なり1年後なりに、その目標が達成できたかどうかを確認するのです。

もしかしたら、その目標にはまったく届いていないかもしれません。逆に、予想以上の結果を得られているかもしれません。いずれにしても「何が悪かったのか」「どこが良かったのか」を検証する材料になります。

小さなことですが、目標をみずから宣言し、それを記録として残すことで、それは本人の意識にしっかりと刻まれます。その上で自分自身の成長を実感させるということも、人材育成では大切な要素です。

5.現場へのフィードバックで確実な成果を

数日間の研修は、参加者にとって大いに勉強になるでしょう。ことにマネジメントスクールが提供するプログラムは、単なる経験則や習慣的作業の羅列ではありません。その多くが過去の実例に科学的な検証と考察を加えて、多角的に構成されたものです。新人には新人のための、中堅には中堅にふさわしい、管理職にはそのポジションに求められるスキルを身に付けられるように作られています。

ですが、そこで学んだことを実践の場で活かしていかなければ、それこそ宝の持ち腐れというものです。知識として記憶したテクニックは、それを使ってこそ成果を現してくれるのですから、それを現場にフィードバックするというプロセスは欠かせません。

そしてそうすることで、マネージャーも含めた営業チーム全員が、自分たちの営業スタイルについて共通認識を持つことができます。実はここにこそ、研修プログラムを通じた営業力強化のポイントがあるのです。

「自分たちは、こうしたスタイルで営業にあたるんだ」「自社のスタンダードな営業プロセスはこうだ」こうした共通認識をチーム全員が共有していれば、誰かがつまずいたときにも、どこがまずかったのかを検証することができます。そして、至らない部分を補い、やり直すことも容易にできるのです。

このような環境を作り上げることで、チームの能力を均等化し、さらに底上げすることが可能になるのです。

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