業務日報やツールを活用した営業管理

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「営業成績が、なかなか目標に近づいていかない」。営業畑にいれば、誰もが抱える悩みです。やみくもに動いたからといって成果が上がるものでもありませんし、それでは作業効率が悪くなるばかりです。では、どこをどのように変えていけばいいのでしょう?

ここで大切なのは、まず明確な目標を設定し、そこに至るまでのプロセスを具体的な行動に落とし込むことです。「KPI」を活用することが肝要になります。

CONTENTS

1. ――営業管理で重要な役割を果たすKPI
2. ――KPIの設定は自社の数字の把握から
3. ――作業・行動管理はSFAツールが最適
4. ――目的と目標をセットで理解させる
5. ――自分のシステムを知れば失敗せずに済む
6. ――営業日報はSFAツールを活用する

1.営業管理で重要な役割を果たすKPI

KPI(key performance indicator)とは、目標を達成するために必要なプロセスをモニターするための指標です。日本語では「重要業績評価指標」などといわれますが、設定した目標を達成するために必要な業績を上げられているのかどうか、それを判断する根拠となる指標です。

とはいえ、決して難しいものではありません。誰もが一度は悩まされた「夏休みの宿題」と同じです。

「新学期の初日に宿題を全部提出するには、どの課題をどれくらいのペースでやっていけばいいかな」

これは、「今四半期に1,000万円の売上を作るには、一週間あたりの作業量とその内容をどう設定すればいいだろう」ということと同じなのです。

目標とする成果の量とそれを達成する期限を設定し、そこから逆算して月間、週間、さらには一日あたりどんな作業をどれだけ消化すれば良いかを小目標として設定する。そして、設定した小目標が達成されているかどうかを測定し、管理していく。つまり、目指すゴールに向かってどのようなコースをたどるかを逆算して設定する。これがKPIの考え方です。

2.KPIの設定は自社の数字の把握から

KPIを的確に設定するためには、自社の営業に関わる数字を把握しておくことが前提になります。これは、これまでの営業実績を「スタートからゴールへ」順にたどっていけばすぐわかります。

見込み顧客リストをもとに電話を入れ、どれほどのアポが取れたか。訪問から受注に至ったのは、どれほどの割合か。こうしたプロセスごとの数字が見えていれば、「どの作業を何件こなすべきか」というラインが見えてきます。例を挙げて見てみましょう。

 

  • 架電でアポが取れる割合 20%
  • 訪問から契約が取れる割合 10%
  • 今四半期の売上目標 1,000万円
  • 平均単価 100万円

 

実際にはもっと多くの要素が関わってくるのですが、できるだけ簡略化してみました。さて、この条件から目標である「今四半期の売上1,000万円」を達成するには、どのようなプロセスを踏めば良いでしょうか?

目標としている結果から逆算すると、次のようなことになります。

 

【KPIの例】

四半期の契約社数        10社(1,000万円÷100万円)

四半期の訪問社数        100社(10社÷10%)

月間の訪問社数           約33社(100社÷3ヵ月)

月間の架電件数           約167件(約33.3社÷20%)

週間の訪問社数           約8件(約33.3社÷4週)

週間の架電件数           約42件(約166.5件÷4週)

 

このように、業務の流れを意識した上で、それぞれのプロセスでどれだけの作業あるいは成果を達成する必要があるかを明確にし、マネジメントすることが目標達成の指標となるのです。

3.作業・行動管理はSFAツールが最適

これらの数字を可視化するだけならば、エクセルでも可能です。ですが、エクセルはあくまでも表計算ソフトですし、こうした作業は専門外です。例えていえば、スマホを文字入力デバイスとして使うようなものでしょうか。ちょっとしたレポートやメールなどは問題ありませんが、ボリュームのある報告書を書き上げるには、やはり不向きでしょう。キーボードのほうが楽ですし、しかも早く入力ができます。

ですから、営業における作業管理・行動管理にはやはり、そのために作られた営業支援システム「SFA(Sales Force Automation)」ツールを使うのがベストです。SFAツールを使えば数字の管理はもちろん、顧客とどのようなコミュニケーションをとったのか、その履歴を残すことができますし、行動を可視化することができます。そしてそこから「いつ、どんなアクションを起こすか」を設定し、それが実践できているかを確認することもできます。

KPIに沿った行動管理が、SFAツールによって実現できるのです。

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4.目的と目標をセットで理解させる

時間軸に合わせた目標数値の設定。SFAツールの活用。ここまでデジタルな話に終始してきましたが、現実問題として、それだけでは人は動きにくいものです。

毎週8社をコンスタントに訪問し続ける。40件、50件という電話を入れ続ける。「その先に何があるのか」がわからないまま、数字ばかりを追い続ける作業は、決して楽しいものではありません。「この作業に、どれほどの意味があるのか」「この仕事が、自分のために果たして役立つのだろうか」営業マン自身がそうした漠然とした疑問を感じることもあるはずです。

このような場合、セールスマネージャーは個々の営業マンに対して「目的と目標をセットで理解させる」ということが必要になります。

それがどんな業務であれ、現在の仕事は必ず将来の役に立ちます。若いメンバーであればなおのことでしょう。彼が今携わっている業務は、彼自身の将来を実現するために必ず役立つはずなのです。それを理解させる、理解するサポートをするということが必要になります。

例えば「将来は起業したい」というイメージを持ったメンバーがいたとしましょう。起業し経営者として組織を運営するなら、数字の管理は欠かせません。目標数値、そこに至るまでの過程での数値を、きちんと管理する必要があります。それは今まさに、営業マンとして求められていることでもあります。つまり、今の仕事が将来の自分に役立つのです。

自身の将来像がよく見えていないというメンバーもいるでしょう。そんなときは本人のキャリアをどのように作っていくのかを聞き出して、自分の将来像をイメージし、そこに今の仕事がどう役立てられるのかを指導していくというやり方をとれます。

5.自分のシステムを知れば失敗せずに済む

KPIで数字を管理し、足りない部分を詰めていくことは大事です。しかし、営業マンが自発的に動くようになるには、前述のような「日々の業務と個々の営業マンの将来の方向性を合致させる」という作業も必要です。

こうした個々のメンバーのサポートは、定期的な面談を行ってマネージャーが指導することが第一です。またそれとは別に、より気楽なメンバー同士でのコミュニケーションの中で本人に気付かせる、というやり方もあります。

それは「自分のシステムを明らかにし、メンバー間でシェアする」という手法です。自分の「勝ちパターン」「負けパターン」を掘り返してみて、どうすればうまくいくか、どうすれば失敗しないかを明らかにし、それをメンバー間で共有するのです。

例えばある人は、次のようなシステムを持っていました。

 

モチベーションが上がる

やる気が出る

成果が出る

モチベーションが上がる

 

このパターンに乗ると何をするにも気持ちが前向きになり、物事がうまく回っていきます。つまりは勝ちパターンの好循環です。

ところがこの人は「あれこれ手を広げてしまって、いつも失敗する」という面も持ち合わせていました。これを分析してみると、

 

モチベーションが上がる

やる気が出る

いろいろなことをやりたくなる

時間と気持ちの余裕がなくなり、仕事が粗くなる

成果につながらない

モチベーションが下がる

 

つまり、この人が失敗しないためには、「やる気が出たときに、調子に乗って手を広げすぎないこと」が失敗しないコツだということになります。

こうした個々のメンバーのシステムを知り、メンバー間で共有することで、個人としてもメンバー同士でも、それぞれに応じた行動をとれるようになります。

6.営業日報はSFAツールを活用する

営業日報については、その必要性についていろいろな意見が飛び交っています。

ですが、営業日報は個々の営業マンの作業報告であり、同時に顧客とのコミュニケーション履歴です。それをただ単に「上司への報告書」として使うだけでは、とてももったいないことです。そこには、営業力の改善を図るために必要な多くの情報が眠っているのですから、うまく活用すれば営業力の底上げにもつながっていくでしょう。

こうしたことから、近年では多くの企業がSFAツールを導入するようになってきました。営業日報としての機能はもちろん、広範で強力なセールスマネジメントツールの機能を備えています。多くがクラウドを使ったサービスとして提供されていますので、「営業先を回りながら最新情報にスマホでアクセスし、商談が済めばその結果をすぐに更新して次の訪問先へ向かう」といった、機敏なアクションを可能にしてくれます。こうした営業管理ツールを使うことは、実作業の面で大いに有用でしょう。

すでにスマホも広範囲に普及しています。一覧性も検索性もない紙媒体での営業日報からは、今すぐにでも卒業すべきでしょう。

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