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エクセルCRMの限界

「エクセルをCRM(Customer Relationship Management=顧客管理)ツールとして使っている」という企業は、かなり多いようです。ですがそうした企業のほとんどは、やがてエクセルの限界に悩むようになります。「エクセル CRM」はどこまで使えるのでしょうか。どこに限界があるのでしょうか。

CONTENTS

1. ――用途の広いエクセルも、CRMには向かない
2. ――エクセルCRMの最大の弱点とは
3. ――まだある、エクセルCRMのデメリットあれこれ
4. ――多くの機能を持つCRM専用ツール
5. ――CRMの導入では初期設計を慎重に
6. ――企業を伸ばすにはまず現場を知ること

1.用途の広いエクセルも、CRMには向かない

エクセルに代表されるスプレッドシートは、実に幅広い用途を持ちます。本来の表計算機能はもちろん、テキストも扱えますし文書の体裁を整えることもできますから、ちょっとした帳票や書類、あるいはワープロ代わりに使われることも少なくありません。

ほとんどのPCに標準でインストールされていますし、使い方も簡単です。こうした扱いやすさも相まって、ホームユースからビジネス文書まで「書類作りはエクセル」という方は多いことでしょう。

そのため、顧客との関係性を管理するCRMツールとして、エクセルを利用する企業は多くあります。

ですがエクセルはあくまでも表計算ソフト(スプレッドシート)です。CRMツールとして使うには、思うようにいかない部分も多々あるのです。

2.エクセルCRMの最大の弱点とは

CRMの概念では、自社と顧客との関係性に関するあらゆるデータを蓄積し、さまざまな切り口でデータを抽出し分析することが核になります。こうした分析を経て、顧客との関係を良好に保ち、より強固にすることがCRMの目的だからです。
ところがエクセルCRMでは、分析するためのデータの抽出がうまくできません。この「分析ができない」という点こそ、エクセルCRMの最大の弱点です。

 例えば、エクセルのシートに顧客情報を入力したとします。顧客名、受注内容、契約日、受注額…。それだけでは充分ではありません。顧客との関係性を軸にするのがCRMなのですから、コミュニケーションについてのより多くの情報が必要です。
新規か、あるいは既存顧客からの紹介か。初めて営業に訪れた日時と、そのときに話し合った内容。その後、どれくらいの頻度で訪問したのか。自社商品に対する評価や要望はあったのか。展示会への招待やDMなどの発送はしたのか。受注後のクレームやトラブルはあったか、あったならどのような対応をとったのか。それに対する評価は? 実にさまざまな情報が、CRMでは必要になります。これらの情報をあらゆる角度から切り出し、分析することで高精度のCRMが実現します。
それをエクセルで行おうとするのは、かなりの無理があるのです。

3.まだある、エクセルCRMのデメリットあれこれ

エクセルCRMを行っている企業では、ほとんどの場合に関数やマクロを組み合わせて情報を抽出・分析しています。ですが情報量が増えるたびにデータファイルは重くなり、マクロはどんどん複雑になっていきます。新たな入力項目を設定したくても、それが非常に難しい作業になってしまいます。
またデータの増加に伴って、作業量も増えるばかりです。「データ入力よりも、マクロを組むのが仕事になってしまう‥‥」エクセルCRMを使う企業の担当者からは、こうした嘆きが実際にしばしば聞かれます。
嘆きながらもメンテナンスができている間は良いのですが、異動などで担当者がいなくなってしまったら、もう保守管理すらできません。
一元管理が難しい上に、社外から最新情報を見ることもままなりません。表やグラフ、写真を貼り付けることはできますが、それをすると書類の体裁が大きく変わってしまいますし、フォーマットそのものが変わってしまうことにもなります。
このように、エクセルCRMにはデメリットが多すぎるのです。

 これが営業日報レベルであれば、エクセルは適したツールでしょう。書式を決めておき、その日1日の顧客とのコミュニケーションを詳細に記録しておけば良いのです。
本来ならば、そのように蓄積したデータを自在な切り口で抽出できれば、CRMツールとして十分に通用するのです。ですがエクセルでは、どうしてもそこが弱点となります。そもそもが表計算用のスプレッドシートなのですから、当然といえば当然でしょう。

4.多くの機能を持つCRM専用ツール

では、CRMツールではどうでしょうか。例えば「ちきゅう」の場合、日々の記録を入力していく部分は同じです。入力項目は最初に設定できますし後から追加することもできます。そして入力した情報は、さまざまな切り口で抽出することができます。

 「ここ一カ月の間、アプローチしていない相手先は」
「ウェブ広告経由で年間どれくらいの受注があったか」
「展示会への出展が、いくらの粗利を生んだか」

 などなど、時系列も含めた複雑な条件で情報を絞り込み、抽出することができます。
グループウェアとしての側面も持ちますから、チャット感覚で会議をすることもできますし、画像などのファイルを添付して共有することもできます。
これこそ、CRMツールの本来の機能であり、特徴でもあるのです。

 クラウドサービスとして提供していますので、メンバーが同時にアクセスして常に更新することができ、最新の情報を手にすることができます。また社外にいてもスマホやタブレットから確認も可能です。
1件目の営業先で話したことや受けた質問・要望、今後のアクションの想定などを書き込み、次の営業先の情報を受け取って、すぐに訪問することができます。いちいち社に戻る必要もありませんから時間を有効活用できますし、本来の営業業務に集中することができます。何かトラブルが起こったときでも、過去に似たような事例がなかったか、そのときはどのような対応をとったのかを事前に調べ、その上で的確な対応を速やかにとることが可能になります。
担当営業の交代があった場合もスムーズです。前任者の履歴をチェックすれば、今までどおりの対応を行うことができます。顧客は得てして担当者が変わることを嫌がるものですが、従来どおりの対応ができれば、それは顧客の満足にもつながっていくでしょう。こうした対応ができるのはCRMツールを使えばこそ、なのです。

5.CRMの導入では初期設計を慎重に

CRMツールは、顧客とのコミュニケーションを管理し、その情報を分析するために作られたものです。ですから自社と顧客との関係性に関わる多くのデータを扱えますし、それをいろいろな切り口で絞り込むこともできます。
ですがCRMツールといえども万能ではありません。できることとできないことはやはりありますし、また商品ごとに特徴も違います。ですから「これからCRMツールを導入したい」と考えているなら、自社にはどのようなツールが適しているのか、十分に検討することが大切です。

 また導入して使い始めるときには、最初にしっかりと設計しておくことが重要です。
エクセルCRMツールの大きな弱点として「後からの項目追加が難しい」という点があります。例えば「最初の問い合わせの経路として、ウェブサイトとウェブ広告の項目を追加したい」というようなとき、それを組み込む作業が非常に煩雑になるのです。
すでにできあがっているフォーマットを変えることになりますし、マクロの設定にも手を加えなくてはなりません。マクロが複雑であればあるほど、その作業は難しくなります。エラーが入り込む可能性も高まりますし、そうなるとツールとして満足に使えないものにもなりかねないのです。

 その点、CRMツールでは後からの項目追加などに関しては非常に柔軟な対応が可能です。そうした作業が発生しなければそれに越したことはないでしょうが、そのために最初の設計が重要なのです。
「だったら最初から入力項目を多めにしておけばいいだろう」そうした意見もありますが、それはおすすめできません。あれもこれもと欲張ってしまうと、日々の入力作業が煩雑になり、結果として入力作業に時間を取られたり、担当者が面倒がって最新情報を入力しなかったりという弊害が起こるからです。これでは本末転倒というものでしょう。

 CRMツールの導入においては、この初期設定がとても大切です。顧客との関係性を測るとき、どのような情報が必要か。あらゆる角度から検討してみて、設計していくようにしましょう。まずは小さな規模から導入して試験的に運用し、設定項目を詰めていくというのも良いかもしれません。

6.企業を伸ばすにはまず現場を知ること

企業が業績を伸ばしていくためには、自社の活動を分析し、そこから学び、修正をかけて、さらなる活動へとつなげていくサイクルが必要です。単に動いているだけでは、効率を高めることは望めません。
例えば毎月の利益がどこから生まれているのか‥‥その入口はウェブ広告なのかリスティング広告なのか。それを分析によって明らかにすることで「では次はどうしようか」という精度の高いビジョンを打ち立てることができます。
日々の活動とその結果を正確に分析し、評価する。それを可能にしてこそPDCAをより速く回していくことができますし、事業効率を高めることにもつながります。そのために、まずは現場で起こっていることを知ること。それを実現するのが、CRMツールなのです。

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