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新人必見!タイプ別商談攻略法

新人として営業部に配属されると、さまざまな新人研修が行われるものです。その中で多くの企業で採用されているのが、営業先の担当者をスタイルによって分類し、それぞれに合わせた営業活動を行う、というもの。その概略をお話ししましょう。

CONTENTS

1. ――性格や特性によって相手の反応は違う
2. ――ソーシャルスタイルの4つの分類
3. ――相手のタイプによって営業成果は変わる
4. ――タイプ別のアプローチ方法は?
5. ――商談相手が複数人の場合には
6. ――営業における科学は手段であって目的ではない

1.性格や特性によって相手の反応は違う

人は誰しも性格や考え方が違います。そのため同じ刺激に対しても、異なる反応を見せることがあります。

ボトルに半分だけ残ったウイスキーを見て「しめた、まだ半分あるぞ!」と嬉々とする男と「なんだ、もう半分しかないや」とうなだれる男の話は、多くの方々がご存じでしょう。こうした人それぞれの違いを見分け、それに合わせたコミュニケーションをとることは、円滑な人づきあいをする上で欠かせないものでしょう。

ビジネスの分野でも、それは同じです。営業という仕事が「相手とのコミュニケーション」であるならば、そこには人それぞれに異なる性格や価値観というものが関わってきますし、また相手のキャラクターに合わせた対応をとれれば、商談はよりスムーズに、しかも効率的に進めることができるはずです。

こうした発想から生まれてきたのが、商談相手の特性…つまり「ソーシャルスタイル」を分類し、それぞれの特性に合わせて対応するというテクニックです。

2.ソーシャルスタイルの4つの分類

一般に、ソーシャルスタイルは4つに分類されています。これは「自己主張の強弱」と「感情表現の強弱」をそれぞれ縦軸と横軸にとり、平面を4分割したものです。さらに細かな分類もあるのですが、この4分割が基本です。これはビジネスシーンにおける性格診断のようなものですが、それぞれの特性は次のようになっています。

 

1)ドライバー
自己主張が強く、感情表現が乏しい。競争心が旺盛で行動が早い。感情が表れにくいために冷たい印象を持たれがちだが、社内での発言力が強いことが多い。理論や効率を重視する。

2)エクスプレッシブ
自己主張が強く、感情表現が豊か。話し好きで、自分の考えを率直に語るタイプ。直観的な行動をとりやすく、「ノリ」で判断する傾向がある。ものごとに熱中しやすい。

3)アナリティカル
自己主張が弱く、感情表現は乏しい。何ごとにも控えめで、とっつきにくさを持たれやすい。データ重視タイプだが慎重で粘り強く、決定を下すまでには長い時間をかける。

4)エミアブル
自己主張が弱く、感情表現は豊か。親しみやすいタイプに見られることが多いが、周囲への依存心が強い傾向がある。道理や理屈よりも人間関係を重視する。世話好きで協調性は高い。

3.相手のタイプによって営業成果は変わる

新規で発掘した5件の営業先のうち、2件はとてもスムーズにクローズしたのに、他の3件がまったく手応えがない。営業をしていると、こうした現象によく出くわすものです。その要因はいろいろでしょうが、そのひとつとして「ソーシャルスタイルの相性」が挙げられます。

 ソーシャルスタイルは相手だけでなく、営業マン一人ひとりにも存在するものです。すべての営業先で同じスタイルの営業を続けていれば、双方のスタイルが合致しないケースが出てきます。私たちはよく「相性が合わない」という言い方をしますが、営業における相性とは、その多くがこのソーシャルスタイルによるものと考えて良いでしょう。
そのため個人レベルで営業の効率化を図るためには、相手のスタイルに合わせた営業を行う必要があるのです。

 しかし、商談相手の名刺にはソーシャルスタイルなど書かれていません。ですから営業先に出向き、担当者がやってきて商談が始まったならば、最初に話す二言三言で相手のスタイルを推定しなくてはなりません。これは新人にとっては非常に難しく感じるところですが、あまり難しく考えることはありません。相手と顔を合わせ、挨拶を交わす、その初対面の第一印象から読み取れば良いのです。

 表情や声の調子、こちらが発する言葉への反応。それだけで「親しみやすいタイプの人だな」「なんだか、とっつきにくい人だなぁ」などと感じるものです。それを手がかりにすれば十分でしょう。そして何度か会って話をしていく中で、その分類を固めていけば良いのです。

4.タイプ別のアプローチ方法は?

相手のスタイル分類はできました。では実際の商談の場では、どのような対応をとれば良いのでしょうか。
まず直観的な行動を好む「エクスプレッシブ」はみずから話すことが大好きですから、商談の場では大いに語っていただくことです。そして自身の考えをストレートに教えてもらい、そのうえで「ノリで決める」というような、勢いのある商談が良いかもしれません。

 「ドライバー」が相手であれば、信頼できるデータをできるだけ多く集め、自社製品がいかに役に立つのか、かっちりとした理論を構築することです。ドライバーはフィクサーに多いタイプで、自分が納得すれば決断も早いですから、データを示し、理屈で語ることがクローズへの近道となるでしょう。

 その真逆の位置にいるのが「エミアブル」です。感情表現が豊かで親しみやすいため、アポ取りしやすく、商談自体も穏やかに進みます。ところが主張が弱いためになかなか決断ができず、クローズ直前のところでまごまごしてしまったりします。

こうした傾向は「アナリティカル」にも見られます。これらのスタイルは社内での発言力があまり大きくないことが多く、いたずらに時間をかけたり他者に判断をゆだねてしまったりしがちです。リスクを回避したがる傾向も強く、大きな案件をクローズするには苦労しがちな相手です。

5.商談相手が複数人の場合には

よくあるケースとして、営業先の相手が2〜3人いる、という場合があります。こんなときはどうすれば良いのでしょうか。
相手が常に3人で商談の場に出てくるという場合。それが営業同行のように「上司あるいは先輩と部下」という組み合わせならば、まったく心配はいりません。その場のリーダー格である上司なり先輩なりに照準を合わせれば、それで済みます。ですが名刺の肩書でも上下関係がはっきりしないというときは、まずフィクサーは誰なのかを探ることです。

 例えばA・B・Cと3人の担当者が出てきて、会話の相手はおもにAが受け持ち、要所で質問するのがB。Cは黙って聞いているだけ…という場合で、コストや契約内容などの重要項目に関してAがCの確認をとるようであれば、この3人のうち決定力が最も高いのはCだと推測できます。
フィクサーが誰かわかれば、あとはそのフィクサーに対して効果的な商談を組み立てていけば良い、ということになります。

6.営業における科学は手段であって目的ではない

ソーシャルスタイルの4つの分類と、それぞれに対する攻略法をお話ししてきました。ですが現実には、この4つのタイプにぴったり当てはまる典型という例は、あまり多くはないかもしれません。「ドライバー寄りのエクスプレッシブ」「エミアブルっぽいアナリティカル」など、それぞれのタイプの境界線上に位置する人は数多くいます。

ですからこの「ソーシャルスタイル攻略法」についてより詳しく知りたい、身につけたいと考えるならば、各種の営業研修サービスを活用することが近道でしょう。

 ビジネス行動のほとんどは、現代では科学的に解明されています。セールスなどはその最先端といえるでしょう。
膨大な事例が分析され、心理学などの助けも得ながら、営業活動に関わるほとんどの行動が、すでにメソッドとして確立されているのです。これまで個人の勘や経験ばかりに偏重してきた営業という分野に、データや分析による科学的な理論が持ち込まれているのです。これを使わない手はありません。

 その一方で、営業とはコミュニケーションであり、それは人と人とのつながり合いです。売り手・買い手という関係からさらに進んで、目の前の問題をともに解決するパートナー。そうした関係性を顧客との間に築くことこそ、営業の目的です。営業にとって数字は大事なものですし、日々の営業活動においても科学的な分析は必要不可欠です。そうした意識は、特に新人のうちから身につけておくべきでしょう。ですがそれらはあくまでも「手段」です。本当の目的は別のところにあるのだということも、覚えておいていただきたいと思います。

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