営業の評価は、成果と勤務態度のどちらを重視するべき?

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マネージャーの大切な役割のひとつである営業メンバーの評価。ですが、行動や努力を評価するべきか、あるいは努力の結果といえる成果を重視して評価すべきか、迷う場面は多いはずです。適正・公平な評価のしかたを、どのように考えれば良いでしょうか?

CONTENTS

1. ――納得のいく評価のためには、信頼関係が大前提
2. ――「日本に成果主義は馴染まない」は本当か
3. ――事業とメンバー自身のベクトルは合致しているか
4. ――適切なケアと評価でメンバーを伸ばす

1.納得のいく評価のためには、信頼関係が大前提

メンバーの評価は、マネージャーが頭を悩ませるところです。しかし、どのような基準で評価するかという以前に理解しておかなければならないのは、マネージャーとメンバーとのあいだに信頼関係が築けているかということです。

 

人事評価は営業メンバーにとって、まさに「通知表」です。評価が高くても低くても、その内容に納得できれば、「よし、来期はもっとがんばるぞ」という気にもなるでしょう。しかし、評価に納得できないと、「会社は、自分を適正に評価してくれない」と、不安や不信に陥ってしまいます。

そのため、評価する側とされる側、双方が納得できる評価を行うためには、お互いのあいだに強い信頼関係が構築されていることが大前提なのです。そして、信頼関係を築こうとするならば、やはりコミュニケーションを密に取ることが第一です。

 

営業メンバーとマネージャーがお互いに認め合い、理解し合おうとする空気があれば、コミュニケーションは円滑に、深みを増していきます。その蓄積が、人と人との信頼関係を強めていくのです。

企業の中には残念ながら「職場の空気がとげとげしい…」というところもあるでしょう。組織の文化や職場の空気というものは、組織によってさまざまで、固定化した「社内の雰囲気」を変えていくのは、簡単なことではありません。

しかし、難しいと尻込みしていては何も変わりませんし、適正な人事評価もできません。マネージャーは、まず自分自身から積極的に営業メンバーとコミュニケーションを取っていくようにしましょう。

2.「日本に成果主義は馴染まない」は本当か

90年代あたりから声高に叫ばれていた成果主義。当時はかなり極端な例も見られたようですが、やはり短期間での成果ばかりを追求・評価する人事査定は、結果として組織の空気を壊し、メンバーのモチベーションを下げ、生産性を落とすことにつながります。とはいえ、組織の中で動くメンバー一人ひとりの能力には差がありますし、結果を評価しないわけにはいきません。

 

ですから、定量的な成果と定性的な成果、この2つをバランス良く評価していくことが肝要になります。

 

ただし、定量的評価はともかく、定性的評価をどのように行えば良いのかは、考えどころでしょう。

例えば、半期ごとに評価を行うのであれば、まずは期初に「今期は何に取り組むのか」「何を、どのように変化・改善していくのか」ということを、明確にしておくことです。その内容は個々のメンバーによって違いますが、いずれも記録に残しておくようにしましょう。

 

期末には期初の記録を振り返りながら、当初の目標がどれほど達成できたか、できなかったとしたら、それはなぜか。一つひとつ評価した上で、来期への課題を設定します。このようなやり方であれば、評価する側とされる側、双方が納得のできる評価が得られるはずです。

3.事業とメンバー自身のベクトルは合致しているか

業務管理のほかに、マネージャーの仕事としてもうひとつ留意しておきたいのは、「事業と個人の目指すベクトルを合わせる」ということです。これは、各メンバーのモチベーションを高く維持し、個人レベルでの生産性を高めるためには、とても重要なポイントになります。

 

ビジネスパーソンは誰でも、将来的な目標を持っています。スケジュールまで明確な将来設計をしているケースは少ないでしょうが、なんとなく「将来はこんなことをしたい」「こんな風になりたい」という理想の自分像を持っているものです。

そんな自分になるために、今の業務がどのように役立つのか。それを正しく認識できれば、日々の業務は「理想の自分を実現するための努力」になり、モチベーションの向上につながります。

 

こうした日々の業務への意味付けは、メンバー自身ではなかなか気付くことができません。日頃からマネージャーが客観的な目で観察し、腹を割って話し合える信頼関係があり、頻繁に会話を重ねることで見えてくるものです。

事業と個人が目指すそれぞれのベクトルがずれていると、そこに「やりがい」は生まれません。生産性は落ちますし、本人にとっても組織にとっても、良いことはひとつもないのです。そんな状況に陥らないためにも、常に活発なコミュニケーションを心掛けたいものです。

4.適切なケアと評価でメンバーを伸ばす

最初の質問に戻ります。

 

勤務態度は自己中心的だが、バリバリと結果を出すメンバー。一方、真面目で人当たりも良いが、未達も出してしまうメンバー。どちらを重視すべきでしょうか?この疑問には、明確にどちらだと結論付けることはできません。

ですが、どちらのタイプについても改善の余地はありますし、その方法もあります。営業マネージャーが重視すべきは、そのメンバーの「伸びしろ」を見つけてあげることでしょう。そのヒントが、「日々のコミュニケーション」にあるのです。

 

成果重視のメンバーは、もしかしたら数字以外の要素に重要性を感じられていないのかもしれません。また行動重視のメンバーは、未達によって自分の仕事の意味を見失い、モチベーションが落ちているのかもしれません。そして彼ら自身は、そのことに気付いていません。

 

ですから、日々のコミュニケーションの中で彼らが持っているはずの「目指すべきもの」に気付かせ、そのために毎日の業務がいかに役立つかを知ってもらうのです。それができれば、メンバー個人のスキルは伸び、意欲は増して、チーム全体の能力を底上げすることにもつながるでしょう。

 

頻繁に語り合い、必要なケアをし、その上で適切な評価を行うこと。個人のスキルを伸ばし、モチベーションを高めるためには、この手法が大いに役立ってくれるはずです。

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