顧客データベースから価値を生み出す方法とは?企業活動に活かす顧客分析手法

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顧客に関する情報はたいへん重要な要素です。ですが、その情報をどうやって蓄積し、どのように活用するべきでしょうか。そして、その重要性を認識し、実践している経営者がどれほどいるでしょうか?

顧客情報をデータベース化し、分析・活用すれば、あなたのビジネスはより効率的に、さらに大きく育っていくのです。

CONTENTS

1. ――営業マンの頭の中の情報をデータベース化する
2. ――「理想の顧客」を定義すると、一気に効率が高まる
3. ――「本当に利益を生む顧客」の属性が明確に

1.営業マンの頭の中の情報をデータベース化する

顧客に関する情報の多くは、担当営業の頭の中にあります。これらの情報をデータベースに蓄積しておくと、どうなるでしょうか?

 

あるエステサロンでは、お客様の最終来店日をデータベースに入力しておき、「その後45日さらに90日が経過したところでメールやDMなどで来店を促す」というしくみを採用しています。これは、「最後の来店から90日が過ぎると休眠顧客になる」というこの業界のセオリーに基づいたもので、データベース内のキーとなる情報と連動させた顧客掘り起こしの一例です。

あるイベント会社は、独自のイベントパッケージを開発し、「今期はこれをプレミアム商材として、重点的に売っていこう」という戦略を立てました。そこで、今期の売上状況だけでなく、プレミアム商材の売れ行きもリアルタイムで確認できるようにデータベースを設定し、状況を追跡しています。

 

このように、属人的になりがちな情報までもデータベース化しておけば、必要に応じてデータを抽出して分析することで、ビジネス戦略に活かすことができます。これこそ、データベースが真価を発揮する場面でしょう。

ただし、ここで重要なのは、あくまで「戦略に合わせたデータベースを作っておく」、あるいは「データベースから戦略に必要なデータを抽出する」ということです。これが逆転してしまって、「データベースに蓄積された情報から戦略を立てる」というのでは、まさに本末転倒。ビジネスをあらぬ方向に導いてしまいますから、くれぐれも注意してください。

2.「理想の顧客」を定義すると、一気に効率が高まる

売上をより少ないコストで効率良く獲得するには、自社と相性のいい特性を持った「理想の顧客像」を定義し、そこにリソースを集中することです。

 

ある清掃サービス会社は、おもにガソリンスタンドの清掃業務一般を請け負っていました。これまでは特に考えることもなく、どんなガソリンスタンドにもやみくもに営業をかけていました。ところが、契約後の実績を見ると、数ヵ月で契約終了になるケースと、長期にわたって継続しているところと、きれいに二極化していました。この差はいったい何でしょうか?

 データベースに入っていたお客様のコメントを分析してみると、長期契約の顧客はこの会社が提供している「24時間対応」という点を評価していることがわかりました。つまり、お客様はこの清掃会社に対して、「いつでも対応してくれる安心感」に価値を見いだしていたのです。

それ以降、この清掃会社では価格競争に背を向け、お客様の安心感をより高める方針に転換しました。それこそが自社の強みだとわかったからです。同時に、営業ターゲットもそうした価値を求める層に絞ったところ、長期契約の比率を大きく伸ばすことができました。

 

まず自社の持つ強みをひとつ掲げ、それにマッチする「理想の顧客」を定義する。単なる顧客のニーズだけでなく、そのクライアントが持つ社内文化や価値観までも踏まえた分析・検証を行えば、その姿はより明確になるでしょう。その比率が高まれば、ビジネス効率も飛躍的に高まります。そして、こうした「理想の顧客」を定義するためには、情報が蓄積されたデータベースの丁寧な分析が非常に強い力を発揮してくれるのです。

3.「本当に利益を生む顧客」の属性が明確に

データベースを分析すると、「高い利益を生む顧客の属性」を知ることもできます。これは、その後の営業戦略を策定していく上で、非常に大きな要素です。

 

ITエンジニア専門の派遣会社が、あるとき自社の顧客分析を行っていました。データベースの積算集計機能を使い、過去から現在までの累計売上を顧客ごとに集計してみたのですが、案件一件あたりの売上が極めて高い顧客は皆、「自社プロダクトを持っている会社」だとわかったのです。

自社プロダクトを持っている会社は、長期にわたる開発を経て、その後も改良・改善を続けることになります。そのためエンジニアの派遣契約期間が長く、数十ヵ月に及ぶことも珍しくありません。一方、自社プロダクトを持たない受託請負の会社は、人手が足りなくなるプロジェクトのピーク時期だけを派遣で補うため、契約期間の多くは3ヵ月ほどになります。

つまり、派遣会社からすれば、「自社プロダクトを持っている顧客こそが、多くの利益を生み出してくれる顧客だ」ということがわかりました。優良な顧客の属性が明確になったのです。

 

このように、多くの情報が蓄積されたデータベースを分析することで、ぼんやりと存在する仮説に明確な根拠を与え、ビジネスの効率化に踏み出すことが可能です。それこそがデータベースに眠っている大きな価値なのです。

ただし、こうした流れを実現するためには、世の中の激しい変化に対応できる柔軟なデータベースツールと、その結果をもって決断するリーダーシップが不可欠でしょう。

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