部下を育成するための目標設定の仕方とマネージャーの役割

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「親はなくとも子は育つ」とはいいますが、企業は人材が勝手に育っていくのを、ただ待っているわけにはいきません。やはり、「効率的なメンバーの育て方」が必要です。チームの地力を上げ、個人のスキルを伸ばしていくために、マネージャーが採るべき方法について考えてみましょう。

CONTENTS

1. ――重要なのはチームとメンバーのベクトルを合わせること
2. ――「自分に役立つ仕事だ」と理解すれば、それが成績に表れる
3. ――必要なのはオーダーメイドのマネジメント
4. ――定性的な目標は、定量化してゴールを設定する

1.重要なのはチームとメンバーのベクトルを合わせること

営業チームの営業力は、個々のメンバーの力の合算です。ですから、理論上では、それぞれの力が同じ方向を向いていると、チームの実力を最大限に高めることができます。ですが、ここにずれが生じると、全体の力が分散されて、弱まることになりかねません。現実では、そこまで理屈どおりにはなりませんが、メンバー間での意識のずれがあると、チームの総合力に影響を与えることは確かです。

このずれは、自然と修正されていくものではありません。放置しておくと、メンバーの意識はどんどん乖離してしまいます。やがて、チーム全体の営業力が頭打ちになり、メンバーも自身とチームとの意識のずれに悩んだあげく、「会社を辞めます」という最悪な事態にもつながってしまいます。

このようなことのないよう、マネージャーは頻繁にメンバーと面談するべきです。多くの企業では、査定に関する面談は半期に1回ありますが、これだけでは頻度が低すぎます。月に1回、できれば2週間に1回くらいのペースで、1対1でじっくり話し合い、個々のメンバーの「意識のベクトル」を知り、もしもチームとのずれがあれば、こまめに修正していくのです。

 

2.「自分に役立つ仕事」と理解すれば、それが成績に表れる

営業チームにとって、月ごとの目標値は達成しなくてはならないミッションですが、それを単に上から下に押しつけるだけでは、メンバーには「やらされている」という感覚しかわいてきません。

ですが、そのミッションを達成すること、さらに、そのミッションを達成するために手掛けるさまざまな作業が、将来の自分のために役立つということが理解できれば、それは「上から押し付けられた仕事」ではなく「将来の自分にプラスになる仕事」になります。つまり、会社というチームとメンバー個人のベクトルが合うのです。

 

そのためにはまず、メンバー個人の話を聞くことです。3年後、5年後、10年後にどうなっていたいのか。長期的なメンバー自身の目標を、マネージャーがきちんと受け止めます。次に、今与えられているミッションを高いクオリティでクリアすることで、目指している目標に着実に進んでいけるのだということを、マネージャーがメンバーに示します。

日々の業務が単なるノルマではなく、数年後の自分のために役立つのだとわかれば、クライアントを説得する言葉にも力が入り、一つひとつの行動に魂がこもります。自社の商材を自信を持ってアピールできますし、最終的には結果となって表れてくるのです。

3.必要なのはオーダーメイドのマネジメント

営業チームのメンバーは、それこそ十人十色です。目標に対する意識も「達成するのが当たり前だ」という人もいれば、そうした意識が薄い人もいるでしょう。また、「長期的な自分の目標」といわれても、それを明確に答えられる人もいれば、そうでない人もいるはずです。

ですからマネージャーは、個々のメンバーに合わせた、オーダーメイドのマネジメントを行う必要があります。

若いメンバーは「5年後にどうなっていたいか?」という質問に対して、「○○さんのようなビジネスパーソンになりたい」と漠然と答える人もいるでしょうし、「5年後にはこの業界で起業する」といった明確な目標を答える人もいるでしょう。

いずれの場合も、マネージャーがやるべきことは、それぞれの目標に達するために必要な要素を分解し、日々の業務に落とし込むことです。

例えば、「○○さんのようなビジネスパーソンになりたい」と答えたメンバーが目指す「○○さんの特徴」は何でしょうか。人脈でしょうか、交渉力でしょうか。それは、どのように作られるものでしょう?そして、今の環境でそれを身に付けるとしたら、日々の業務の中で、どう行動すればいいでしょうか?

5年後に起業するためには、まずマネジメントを身に付ける必要があります。その経験をいつ、どのように積めばいいでしょう?現在の業務の中で、それを身に付けるにはどう動けばいいでしょうか?

個々のメンバーの目標を実現するための要素を細かく分解し、毎日の業務に落とし込んでいく。それもマネージャーの重要な役割です。

4.定性的な目標は、定量化してゴールを設定する

メンバーの目標を実現させるため、要素を細かく分解し、毎日の業務に落とし込む作業は、マネージャーの経験が浅いうちは、なかなか難しいものです。ですが、遠い目標を細かく分解していくと、目の前の課題として具体化することができます。

それは、定性的な目標でも同じです。例えば、メンバーが「3年後には、プレゼンがうまくできるようになりたい」という目標を持っているとしましょう。こうした場合には、「プレゼンがうまい」とはどういうことなのかを定義付けして、「上場企業に対して商品プレゼンを行い、2社以上の受注をもらう」というような、定量化された具体的なゴール地点を設定するのです。あとは、そこに至る道筋を分解していき「プレゼンの手法をいつ、どのように学ぶのか」「上場企業とのパイプを、どうやって作るのか」という、具体的な方法を導き出していきます。

漠然とした目標は具体的な形に置き換え、そこにつながる道筋を示していく。若手のメンバーには難しいことですから、マネージャーがしっかりサポートし、育成していきたいものです。

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