
CRMの必要性は?導入目的やメリット・デメリット、活用のポイントを解説

CRMの必要性は?導入目的やメリット・デメリット、活用のポイントを解説
CRM(顧客関係管理)は、顧客の情報を一元管理して顧客との良好な関係を構築する手法です。顧客ニーズの多様化やそれに伴う競争の激化により、現代のビジネスではCRMの重要性がますます高まっています。
本記事では、CRMの導入目的やメリット・デメリットなど、必要性を深掘りします。Excelとの違いやCRMを効果的に活用するポイントも解説しているので、CRMの導入をお考えの方はぜひ最後までご覧ください。
CRMの必要性と導入目的
ビジネスを行う上でCRMが必要だとされる理由は以下の3つです。
- 営業・マーケティング活動の効率化を図るため
- 既存顧客のLTVを向上させるため
- さまざまな顧客ニーズに対応するため
詳しく見ていきましょう。
営業・マーケティング活動の効率化を図るため
顧客一人ひとりのニーズを把握し、最適な提案を行うためには、効率的に営業・マーケティング施策を実施する必要があります。顧客管理にExcelを活用している企業も多いですが、顧客数が増加すると、手作業で膨大な数の顧客情報を管理するのは簡単ではありません。
またExcelは顧客の管理に留まります。分析やメール配信も難しいため、他のツールを併用する必要があります。こういった非効率的な作業では膨大な時間と人的コストが必要です。
一方でCRMは、営業やマーケティングに関わる業務をひとつのツールでまとめて行えます。これにより担当者は無駄を省いた効率的な活動が可能になり、本来のコア業務に注力できます。
既存顧客のLTVを向上させるため
LTV(顧客生涯価値)の向上は、持続可能なビジネス経営において非常に重要なポイントです。ここで覚えておきたいのが「1:5の法則」と「5:25の法則」です。
- 1:5の法則:新規顧客への販売は既存顧客の5倍のコストがかかる
- 5:25の法則:顧客離れを5%改善すればその利益が25%改善される
2つの法則より、新規顧客を獲得するよりも既存顧客に販売するほうが効率的であることがわかります。つまり、売上を上げるためには、既存顧客のLTVを向上させることが重要です。
CRMを活用して顧客情報の管理を行うと、長期的な関係の維持、顧客との関係性向上を図れるため、既存顧客のLTV向上にも寄与します。
さまざまな顧客ニーズに対応するため
情報や商品が溢れかえる現代、消費者は多様で個別化されたニーズをもっています。顧客一人ひとりのニーズに対応して商品を販売するためには、商品のよさを伝えるだけではいけません。顧客が抱える悩みや課題、潜在的なニーズまでを理解し、それらを解決するための提案を行う必要があります。
そのために重要なのが、CRMを活用した深い顧客理解です。CRMは顧客のあらゆるデータを蓄積・分析し、一人ひとりにパーソナライズされた提案を行う基盤となります。競合他社との差別化を図りつつ、顧客に自社商品への愛着や信頼をもってもらうためには、多様なニーズに対応できるCRMの導入が必要だと言えます。
CRMでできること
CRMの機能は顧客情報の管理だけでなく、データの分析や案件管理などさまざまです。
- 顧客情報管理
- 顧客データ分析
- 案件管理
- 問い合わせ管理
- メール配信
- プロモーション管理
各機能の役割をひとつずつ見ていきましょう。
>>CRMの基本機能一覧|主要4社の比較やSFAとの違い、活用するメリットを解説
顧客情報管理
取引先企業の情報を管理する機能です。企業名や電話番号、住所、担当者などの基本情報を管理するほか、商談履歴や問い合わせ履歴、契約履歴などのデータも管理します。また、管理する項目名や順番をカスタマイズできるツールが多いのも特徴です。
顧客データ分析
蓄積した顧客データを活用し、顧客の行動や購買傾向などを分析する機能です。分析結果はグラフで確認できるため、感覚や経験に頼った営業ではなく、データにもとづいた客観的な判断が可能になります。
>>SFAのデータ分析は重要?効果や手法、効果を高めるポイントを解説
案件管理
営業案件の進捗状況を管理する機能(営業案件管理)です。商談の進捗状況や見込み度合い、受注予定日、予想売上額などをリアルタイムで記録・管理するため、営業担当者の状況をチームで把握できる点がポイントです。
>>【画面付き】SFAで案件管理する方法!Excelの課題や活用ポイントも紹介
問い合わせ管理
顧客からの問い合わせ内容を記録・管理する機能もあります。具体的には商品に関する質問やクレーム、サポート依頼などです。
あらゆるチャネルから寄せられた問い合わせを一元管理することで、対応漏れや二重対応などのミスを防げます。よくあるお問い合わせ内容を把握できれば、商品の改善や顧客の疑問を改善するヒントになります。
メール配信
リードや顧客に、プロモーションやお知らせのメールを送る機能です。一般的には、特定の顧客に送る個別配信機能や、複数の顧客にまとめて送る一斉配信機能があります。届いたメールが開封されたか、メール本文内のリンクがクリックされたかのチェックも可能なので、顧客の反応を数字で把握できるのが特徴です。
プロモーション管理
実施したキャンペーンや広告の打ち出しなどを管理する機能です。顧客の属性に合わせてメールマガジンやクーポンを配布できます。すべてのリード・顧客に同じプロモーションをするのではなく、条件や特性に合わせてプロモーションを管理できるため、効果を最大化できるのが魅力です。
ExcelとCRMの違い
顧客管理にExcelを活用する企業が多いことからもわかるように、Excelでの管理が不可能なわけではありません。しかし、ExcelとCRMではおもに以下の項目で違いがあります。
項目 | Excel | CRM |
膨大な情報の処理 | 向いていない | 向いている |
複数人での作業 | しにくい | 問題ない |
セキュリティ | 不安が残る | 対策しているツールが多い |
分析・プロモーション機能 | 利用できない | 利用できる |
上表の通り、Excelは膨大な情報の処理や複数人での作業が得意ではありません。一方でCRMは、顧客の数や作業する人数が増えたとしても問題なく作業できます。
ビジネスを立ち上げたばかりで顧客数が少ない企業や複数人での作業が必要ない企業であれば、Excelでも十分に顧客情報を管理できるでしょう。しかし顧客数が増加してくると、セキュリティが強く分析もできるCRMを活用するほうが、効率的に作業を行えます。
おすすめのCRMツールは以下の記事でまとめているので、導入を検討している方はぜひ読んでみてください。
>>【2025年】CRMツールおすすめ10選を比較|機能や導入メリット、選び方を解説
CRMを活用するメリット
CRMの魅力は、効率的に顧客情報を管理できる点だけではありません。
- 戦略的なアプローチが可能になる
- 社内でスムーズに情報共有ができる
- 顧客ニーズに合った提案で売上向上が見込める
CRMを活用するメリットを具体的に見ていきましょう。
>>CRMを導入するメリットは?得られる効果やデメリット、成功事例を紹介
戦略的なアプローチが可能になる
CRMには顧客情報を管理する機能だけでなく、分析機能も搭載されています。受注・失注原因やプロモーションの効果、リードの反応率など、あらゆる情報を分析できるのが特徴です。そのため顧客情報の管理に留まるExcelと比較し、より戦略的なアプローチができるようになります。
社内でスムーズに情報共有ができる
CRM上に顧客情報がすべて管理されているため、社内でスムーズに情報共有ができる点もメリットです。従来のように「担当者しか情報がわからない」というリスクがないため、営業属人化の解消にも効果的です。
さらにアクセス権のある従業員がCRM内の情報にアクセスすることで、直接担当者に聞きに行く手間も省けます。「CRMを見れば瞬時に解決」を実現できるため、作業効率が上がるでしょう。
顧客ニーズに合った提案で売上向上が見込める
さまざまな商品が市場に溢れている現在、商品中心のマーケティングから顧客中心のマーケティングにシフトチェンジされました。CRMを活用すると、そのような多様なニーズにも対応できます。
CRMでは顧客の基本的な情報から今抱えている課題、ニーズまで、あらゆる情報を把握できます。そのため、たとえ同じ商品であっても、顧客の状況に合わせて最適な提案を行えるのです。顧客一人ひとりのニーズに合わせた提案を可能にすることで、売上の向上が見込めるわけです。
CRMを導入するデメリット・注意点
CRMには多くのメリットがある一方で、デメリットもあります。
- コストがかかる
- 効果を実感するまでに時間がかかる
メリットだけでなくデメリットも理解し、後悔のないように導入しましょう。
コストがかかる
CRMは導入コストやランニングコストがかかります。クラウド型、オンプレミス型、自社開発によって費用はさまざまですが、運用するにあたって一定の費用が発生する点がデメリットと言えます。
モデル | 費用相場 |
クラウド型 | 初期費用:無料~10万円月額費用:無料~1,000円/人 |
オンプレミス型 | 初期費用:50万円~200万円月額費用:5万~30万円/人 |
自社開発 | 仕様要件の確定費用:20万円~25万円システム開発費用:60万円~75万円テスト改修費用:15万円~25万円 |
CRMを導入する際は、自社の予算と相談しながらどのCRMを採り入れるべきか検討するとよいでしょう。複数のツールを比較して決めるのがおすすめです。
>>CRM(顧客管理システム)の導入費用はいくら?タイプ別の相場と内訳を解説
効果を実感するまでに時間がかかる
CRMの効果を実感するには、一定の運用期間が必要です。導入後すぐに効果を発揮するわけではなく、顧客データを蓄積することで徐々に効果が出てきます。分析に必要なデータが蓄積されるまで時間が必要なので、短期的な効果は見込みにくいでしょう。
また従業員がツールに慣れるまでにも時間がかかります。短期間での成果を期待せず、長期的な視点での運用を考えることが重要です。
CRMを効果的に活用するためのポイント
CRMを効果的に活用するには、以下3つのポイントがあります。
- CRMを活用する目的を明確にする
- まずは少人数から始める
- 責任者を決めておく
導入を検討している方は、この3つの点を押さえておきましょう。
CRMを活用する目的を明確にする
CRMは戦略的なアプローチを可能にし、売上向上が見込める重要なツールです。しかし導入しただけでは効果が実感できません。導入を決める前に自社の課題を分析し、導入する目的を明らかにしておくことが重要です。
以下のように具体的な目的を設定することで、運用における指針が明確になります。
- 従業員の業務効率化
- 売上向上
- 部署間でのスムーズな連携
企業によって課題や目的はさまざまなので、自社でCRMを採り入れる目的を明確にし、社内で共通認識をもっておくことが大切です。なぜCRMを導入するのか、社員全員が目的を把握しておくことで、導入後も積極的に活用してもらえます。
まずは少人数から始める
初めてCRMを導入する場合は、スモールスタートで始めるのがおすすめです。最初は活用する場面や得られる効果がわからない状態なので、慣れるまでは少人数からスタートして様子を見ましょう。全社で導入する前に少人数で運用しながら課題や改善点を洗い出すことで、導入後の大きなトラブルを防げます。
ひとつの部署・部門単位でも構いません。まずは小さい組織で運用し、使い方や運用方法がわかってから徐々に活用範囲を広げていくほうが効率的です。
責任者を決めておく
CRM運用を成功させるためには、明確な責任者を設定することが重要です。導入した後にツールに関する質問があった際やトラブルがあった際など、誰が中心となって対応するのか決めておきましょう。責任者をひとり決め、その人を中心に運用していきます。
たとえば初期段階では、使い方のマニュアル作成や研修の実施など、社員がスムーズに使えるようになるための環境を整える役割を担います。その後、社員からのフィードバックを集めて運用方法を改善していくことで、効果的に運用できるでしょう。
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CRMの必要性を理解して自社に合ったツールを導入しよう
CRMは営業・マーケティング活動の効率化を図り、既存顧客のLTVを向上させるために不可欠なツールです。近年は顧客のニーズが多様化されたことからも、CRMの重要性に注目されるようになりました。
導入にあたりコストがかかる点や、効果を実感するまでに時間を要する点はCRMの課題と言えるでしょう。しかし戦略的なアプローチを可能にするほか、社内でのスムーズな情報共有を可能にするなど、CRMを活用するメリットは多くあります。
導入する際は目的を明確にし、スモールスタートで始めること、責任者を決めることを徹底しましょう。またさまざまなツールの比較も重要です。自社に合ったCRMを導入し、売上を最大化させましょう。
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