
顧客分析とは?役立つ手法やツール、分析項目や具体的な手順を紹介

顧客分析とは?役立つ手法やツール、分析項目や具体的な手順を紹介
自社商品・サービスを売るためには、適切な顧客の理解が不可欠です。顧客のニーズや課題を把握することが利益獲得のカギで、そのためには顧客分析が欠かせません。
本記事では顧客分析とは何か、分析すべき項目について解説します。顧客分析に役立つ手法やツール、具体的な手順も解説しているので、売上向上の施策を模索している方はぜひ参考にしてみてください。
顧客分析とは?
顧客分析とは、自社商品・サービスを購入した顧客の属性や購買履歴を分析することです。顧客理解を深めて売上を最大化させることが目的で、顧客のニーズを把握し、マーケティング戦略の立案に役立てられます。
主な分析項目
顧客分析の主な分析項目は以下の通りです。
分析項目 | 内容 |
顧客の属性 | 性別、年齢、居住地、職業など |
顧客の行動履歴 | Webサイトへの訪問回数、閲覧ページ、滞在時間など |
顧客の購買履歴 | 購入商品、回数、金額など |
顧客の課題やニーズ | 解決したいと考えていること |
意思決定プロセス | カスタマージャーニーマップで顧客の購買プロセスを可視化 |
これらの項目を分析することで、顧客の課題やニーズを深く理解できるようになります。
顧客分析の目的と必要性
顧客分析を行う目的は、主にターゲットの特定と顧客ニーズの理解です。いかに優れた商品でも、アプローチするターゲットが間違っていると売上の最大化は期待できません。「誰に」販売するかで売上がまったく異なるため、「どの層にどのようなアプローチをすると効果があるのか」を特定すべく顧客分析を行います。
顧客分析に役立つ手法・フレームワーク
次は、顧客分析に役立つ手法・フレームワークを8つ紹介します。
- デシル分析
- RFM分析
- セグメンテーション分析
- CTB分析
- LTV分析
- 行動トレンド分析
- パレート分析
- バスケット分析
それぞれの手法がどのように役立つのか、具体的に見ていきましょう。
デシル分析
購入額に応じて顧客を10のグループに分類する手法です。たとえば100人の顧客がいたとして、購入金額が高い順に10個のグループに分けます。そして各グループが全体売上の何%に貢献しているかを洗い出します。
たとえば、上位2グループが全体の90%の売上に貢献しているとわかった場合、今後はこれらのグループに集中して施策を練ることで効率よく売上を伸ばせると考えられるでしょう。どの顧客に注力すべきか、優良顧客を見つけるのに適したフレームワークです。
ただ、一度の購入金額が大きくたまたま上位に分類される顧客もいるため、定期的にデシル分析を行い、常に上位に位置する顧客を見つけ出す必要があります。
RFM分析
RFM分析とは以下3つの指標を用いて、顧客の購買履歴から優良顧客や離反リスクの高い顧客を分類する手法です。購入金額のみに着目して顧客を分類するデシル分析とは異なり、RFM分析は頻度や購入日にも着目します。
指標 | 内容 |
直近購入(Recency) | 直近に購入した顧客ほど顧客ランクが高い |
購入頻度(Frequency) | 購入頻度が高いほど顧客ランクが高い |
購入金額(Monetary) | 購入金額が高いほど顧客ランクが高い |
これらの指標でランク付けをして顧客をいくつかのグループに分けることで、売上への貢献度が高い顧客やそうでない顧客を見極められます。また、グループに適した戦略を立案できる点もポイントです。
セグメンテーション分析
セグメンテーション分析とは、顧客を特性ごとに分類(セグメント)する手法です。自社商品が有利となる市場を見つけ、ターゲットを絞り込む際に活用でき、主に以下4つの変数を用いて顧客を分類します。
変数 | 詳細 |
地理的変数 | 地域や気候、人口密度など |
人口動態変数 | 年齢や性別、家族構成など |
心理的変数 | 価値観やライフスタイル、性格など |
行動的変数 | 購買履歴や行動パターンなど |
類似性の高い顧客をセグメントすることで、それぞれの特性に最適な方法でマーケティングを行えるでしょう。
CTB分析
以下3つの要素にもとづいて顧客を分類し、購買行動の予測に役立てる手法です。
要素 | 詳細 |
Category(カテゴリ) | 商品・サービスの種類 |
Taste(テイスト) | 色や形、サイズ、デザイン |
Brand(ブランド) | ブランドやキャラクター |
CTB分析を活用して嗜好が似ている顧客をグループ分けすることで、顧客の趣味に応じた販売戦略を立案できる点がポイントです。CTB分析で顧客の購買パターンが明らかになると、たとえばECサイトでは、「セットでよく購入される商品」「こちらの商品もおすすめ」のような提案が可能になります。
LTV分析
LTV分析とは、顧客が企業にもたらす生涯価値を算出し、長期的な利益を最大化するための戦略を立てる手法です。継続して安定した売上を上げるためには、LTVが高い顧客を明らかにする必要があります。LTV分析を行うと各顧客のLTVを把握できるため、どの顧客にリソースを割くべきかが明確になります。
行動トレンド分析
特定のシーズンと購買層を関連付けて分析する手法です。「どの季節」に「どの層」が「どのような商品・サービス」を購入しているのか、季節と顧客の関連性を見出して分析します。
たとえば、「ノートパソコン」が「春頃」「10〜20代」によく売れるといった例です。このように行動トレンド分析を用いて季節と購買層を関連付けることで、適切なタイミングで需要が見込める層に効率よく提案できます。
パレート分析
「80:20の法則」とも呼ばれる分析手法です。これは「売上の80%は上位20%の顧客が生み出している」という考え方から来ています。
パレート分析を用いて上位20%の重要顧客を明らかにすることで、効率よく売上を上げることが可能です。すべての顧客に平等にリソースを割く必要がなくなるため、マーケティングリソースの最適化に役立てられます。
バスケット分析
顧客の商品カゴ(バスケット)に入っている商品を分析する手法です。「A商品を購入した顧客はB商品を購入する傾向にある」というように、商品の関連性を見つけるのに役立てられるフレームワークです。
バスケット分析において関連性があるとわかったふたつの商品を横並びに陳列することで、売上向上が期待できるでしょう。オンラインショップであれば、レコメンド機能で購入を促すことが可能です。
顧客分析のやり方
顧客のニーズや課題を把握するためには顧客分析が重要です。しかし、分析手法によって目的はさまざまなので、自社の課題に応じて適切なやり方で行う必要があります。
- 分析の目的を明確にする
- 必要なデータを集める
- 収集したデータを整理する
- 適切なフレームワークで顧客分析を行う
- 分析結果から施策を立案・実行する
顧客分析の適切な手順を詳しく見ていきましょう。
1.分析の目的を明確にする
なぜ顧客分析を行う必要があるのか、まずは目的を定義する必要があります。目的によって活用するデータや分析方法が異なるからです。
「優良顧客を特定して効率的にマーケティングを行いたい」や「新商品のターゲットを設定したい」など、目的を明確にしなければなりません。このとき、具体的な達成目標を明確にしておくことも重要です。「売上向上」であれば、どのくらい売上を上げるのか、「業務の効率化」の場合、どのような状態を目指すのか、目的と目標を定めましょう。
2.必要なデータを集める
分析の目的が明確になれば、分析手法がおのずと決まります。次は分析に必要なデータを集めましょう。顧客データ(年齢や性別、地域などの属性、購買履歴)や行動データ、アンケートなどが必要です。
3.収集したデータを整理する
収集したデータをそのまま活用するのではなく、分析精度を高めるために一度データの整理(クレンジング)を行います。データのクレンジングとは、誤ったデータや重複したデータを修正(クレンジング)することです。
データを集めても内容が重複していたり間違っていたりすると、正確に分析できません。分析の前に必ずクレンジングを行い、正確なデータにしておきましょう。データクレンジングに関しては以下の記事で詳しく解説しているので、やり方や具体例を知りたい方は参考にしてみてください。
>>データクレンジングとは?名寄せとの違いや目的、やり方と具体例を解説
4.適切なフレームワークで顧客分析を行う
正確なデータを用意できたら、目的に応じて適切なフレームワークで顧客分析を行います。たとえば以下のような例が考えられます。
- 優良顧客の特定→RFM分析、パレート分析
- ターゲット設定→セグメンテーション分析
- 顧客の行動パターンを分析→行動トレンド分析
なお、分析を行う際は、ひとつの手法に絞る必要はありません。複数の手法を組み合わせると、分析の精度も上がります。
5.分析結果から施策を立案・実行する
分析を通してわかったことをもとに、現状の課題を改善するための施策を立案しましょう。たとえば分析の結果、「20代女性をターゲットに広告を出していたが、実際に購入しているのは30代男性であった」と判明したとします。広告を30代男性に刺さるような内容に変更すると、さらなる売上アップが期待できるかもしれません。
このように分析結果から施策を立案して、実行していきます。しかし立てた施策が必ず成功するとは限らないので、実行した後は分析を続けていきましょう。PDCAを回して長期的に様子を見ることが成功へのカギです。
>>SFAでPDCAサイクルを回すには?階層別のコツとおすすめツール
顧客分析に役立つツール
最後は、顧客分析に役立つツールを3つ紹介します。
- CRM/SFA
- マーケティングオートメーション(MA)ツール
- アクセス解析ツール
どのように役立てられるのか、詳しく見ていきましょう。
CRM/SFA
CRMとは顧客関係管理のことです。また、顧客関係の構築をサポートするツールもCRMと言います。SFAは営業支援システムのことを指し、営業担当者の営業活動をサポートするためのツールです。これらは営業活動を行ううえで欠かせない存在で、顧客に関するさまざまな情報を一元管理できるため、顧客分析に役立てることが可能です。
CRM/SFAにはあらゆるツールがありますが、コスパよく顧客分析を行いたい方には『GENIEE SFA/CRM』をおすすめします。『GENIEE SFA/CRM』は導入しやすい価格設定でありながら、分析機能が多数搭載されたSFA/CRMです。AI機能も搭載されているため、AIの予測にもとづいた戦略やアクションプランも策定できます。
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マーケティングオートメーション(MA)ツール
マーケティングオートメーション(MA)ツールとは、マーケティングに特化したツールです。CRMやSFAは自社商品・サービスを購入した顧客の管理を目的とするのに対し、MAはその前段階、見込み客を顧客にする段階での活用を目的としています。
サイトを訪れたユーザーがどのような行動をとったのか、送ったメールが見られたのかなど、見込み客の行動を分析するのに役立てられるツールです。
アクセス解析ツール
ユーザーの行動履歴分析には、アクセス解析ツールも活用できます。アクセス解析ツールとは、自社サイトに訪れたユーザーの数や滞在時間、離脱率、コンバージョン率などを測定するツールです。滞在時間が短い場合や離脱が多く見られる箇所など、アクセス解析ツールを用いて自社サイトの改善点がわかることで、マーケティング施策の改善に役立てられます。
顧客分析をして売上向上を目指そう
顧客分析とは、自社商品・サービスを購入した顧客の属性や購買履歴を分析することです。売上を上げて利益を最大化させるためには、顧客の課題やニーズを把握するための顧客分析が欠かせません。
RFM分析やセグメンテーション分析、デシル分析など、分析の手法は多数あります。目的によって活用できる手法が異なるので、自社の目的に応じて今回紹介した分析方法を試してみるとよいでしょう。
顧客分析を初めて行う方は、『GENIEE SFA/CRM』を活用してみてください。顧客分析に必要な顧客の情報を一元管理して、顧客理解をサポートします。導入しやすい価格設定であるため、コスト面の負担も心配ありません。資料請求と無料トライアルは以下よりご確認ください。
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