インテントセールスが注目される理由とは?仕組みや成功事例も紹介
インテントセールスとは、購買意欲やニーズが高まっている顧客を可視化し、最適なタイミングを見極めて提案を行う営業手法です。自社サイトへのアクセス履歴や検索エンジンでのキーワードなど、顧客のWeb上での行動を参考に、顧客が求める情報を把握します。
自社商品・サービスへの購買意欲が高まったタイミングで商品を提案するため、高い成約率を望める点が特徴です。
本記事では、インテントセールスの流れや必要なツール、成功事例などを紹介します。提案力向上や見込み顧客との関係強化に取り組んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。
インテントセールスとは、Web上の行動履歴から見込み顧客の意図や目的を分析し、提案内容に反映する営業手法です。サイトへのアクセス履歴や資料請求の有無、検索キーワードの内容などを参考に、自社商材への関心の高さや求めている情報を把握します。
見込み顧客のWeb上の行動履歴や購買履歴は、特定の目的にもとづいているため、インテントデータと呼ばれます。顧客の関心や購買意欲が低い場合、優れた機能を搭載した商品・サービスを提案しても、購入に至るケースはほとんどありません。
インテントセールスでは、収集した顧客の行動履歴から顧客ニーズと提案のタイミングを見極めます。購買意欲や関心が高まった状態で商材を提案するため、従来の営業手法より成約率やリピート率を高められます。
>>インテントデータとは?取得方法や効果的な活用方法、違法なのか紹介
インテントセールスが注目される理由は以下の2つです。
インテントデータを収集する過程で、顧客一人ひとりが求めている情報や商品を把握できます。顧客の興心や購買意欲の可視化によって、営業担当者のスキルに左右されず、顧客と接触するタイミングを明確化できます。顧客の購買意欲が高まった状態で商品・サービスの提案ができるようになるため、従来よりも成約率が高まるでしょう。
また、自社商材に関心が低い見込み顧客と商談を重ねても成約は見込めず、かえって重要顧客と商談する時間が少なくなります。しかし、インテントデータを活用すれば購買意欲の高い見込み顧客を絞れるため、業務効率化につながります。
インテントセールスと対比される営業手法に、インバウンドセールスやアウトバウンドセールスがあります。営業手法ごとの概要は以下のとおりです。
営業手法 | 概要 |
インテントセールス | 見込み顧客の購買意欲や関心が高まったタイミングを見極め売り込む手法 |
インバウンドセールス | 購入に直結する行動を取った見込み顧客へ自社商品を売り込む手法 |
アウトバウンドセールス | 営業担当者が自社商品・サービスを積極的に売り込む手法 |
インテントセールスは自社サイトへのアクセスやSNSへのコメントなど、Web上での行動履歴をもとに求めている情報や商品を把握します。インテントデータの活用によって、自社商品に対する購買意欲と関心の高さを見極め、最適なタイミングで提案を行います。
一方、インバウンドセールスは資料請求や問い合わせなど、購入に直結する行動をきっかけに自社商材を見込み顧客へ提案する手法です。アウトバウンドセールスは顧客からの行動を待たずに、営業担当者がメールや電話、対面商談で自社商材を積極的に提案する営業手法です。
インテントセールスで扱うデータは以下の3種類に分けられます。
データの種類 | 概要 |
1stパーティデータ | 企業が自社で直接収集するユーザーデータWebサイトやアプリ、アンケート調査などで収集する |
2ndパーティデータ | 他社が自社と提携して提供するファーストパーティデータ比較サイトやオウンドメディアなどで収集する |
3rdパーティデータ | 第三者が公開しているデータマーケティング調査のデータや他メディアで公開されている記事から収集する |
インテントセールスを成功させるには、1stパーティデータを多く集めることが重要です。アクセス解析ツールやCRM、MAなどITツールを活用すると、効率的に集められるでしょう。
また、2ndパーティデータや3rdパーティデータを上手く活用すると、自社では収集できなかった顧客の行動履歴を把握できます。
インテントセールスを導入するメリットは以下の3つです。
自社商品に関心の高い見込み顧客や顧客ニーズを把握できるため、提案の質と営業活動の効率を高められます。順番に見ていきましょう。
インテントセールスの導入により、自社サイトへのアクセス頻度や閲覧ページの内容、資料請求の有無など、見込み顧客が求めている商品や情報を把握できます。これにより、顧客ニーズを反映した商品・サービスを提案でき、見込み顧客との信頼関係を強化できます。
また、過去の販売実績や商談内容などのインテントデータは、既存顧客へ商品を提案する際にも活用可能です。分析結果を踏まえた提案によって、リピート率の改善や購入単価の向上が期待できます。
インテントセールスでは、自社サイトへのアクセス状況やアプリの利用状況、レビューサイトの閲覧有無など、Web上の行動に関する情報を多数収集します。収集したインテントデータはターゲットを絞り込む際に活用し、顧客の行動に対して点数を付けます。
スコアリングの目的は自社商品・サービスに対して、購買意欲や関心の高い見込み顧客を可視化するためです。点数の高い見込み顧客は優先的に接触すべき顧客とみなせるため、営業活動の効率化と収益拡大の両立が可能です。
顧客体験とは、ユーザーが自社商品を認知してから利用するまでの一連の流れです。商品やサービス、ビジネスモデルによっては、商品購入後のアフターサポートも含まれます。
良質な顧客体験を提供できると、リピート率の改善や単価向上、ブランドのイメージアップなどさまざまなメリットが得られます。
インテントセールスは顧客の行動履歴をもとに、購買意欲が高まったタイミングで必要な情報を提供する営業手法です。顧客一人ひとりに合った商品やサービスの提案によって、インテントセールスの導入前よりも良質な顧客体験を提供できます。
インテントセールスは以下の流れに沿って進めていきます。
プロセスごとの作業内容を見ていきます。
インテントセールスの成功確率を高めるには、多くの詳細なインテントデータが必要です。まずは自社のコーポレートサイトやサービスサイトを分析し、顧客が関心を示しているページを把握します。
顧客が求めている情報がわからない限り、購買意欲を高める商品を提案するのは難しいでしょう。自社サイトのアクセスログを確認すると、閲覧ページの内容やページ数、ユーザーのアクセス日時などに関するデータを取得できます。
また、エクセルやスプレッドシートを活用し、顧客のデータベースを作るのもひとつの方法です。低コストで始められ、操作性に戸惑う心配が少ないのがメリットです。
>>顧客データベースの作り方|作成するメリットや必要項目、手順を解説
自社商品・サービスに対して、もっとも購買意欲が高い見込み顧客を可視化する作業です。
ターゲットを絞り込む際は顧客が取った行動別に点数を付け、点数が高かった顧客を購買意欲が高いとみなします。
点数の対象となる行動は、Webサイトの閲覧頻度や資料請求の有無、SNSアカウントへのアクセスなどが該当します。商材やビジネスモデルによっては、セミナーや展示会への参加など、オフラインの行動を対象に含めても問題ありません。
また、MAを導入すると、購買意欲の高い見込み顧客を効率的に絞り込めます。スコアリング機能を搭載しており、事前に設定した行動に対して点数を付ける作業を自動化できるためです。
BtoBの場合はターゲット企業を選定後、自社商材を提案する部署と担当者の特定が必要です。商品やサービスの特徴によって、提案すべき部署は異なります。
たとえば、自社がセンサーやモーターなど電子部品を扱っており、ターゲット顧客がアーケードゲームのメーカーだとしましょう。商品を提案すべき部署は設計部門や購買部と特定できます。
インテントデータを収集する際、決裁権をもつキーパーソンの連絡先が判明した場合は、キーパーソンに対して提案を実施します。
また、キーパーソンや提案すべき部署がわからない場合は、コーポレートサイトにアクセスして、組織図を確認しましょう。組織図を分析したうえで、自社の商材と関連性の高い部署を特定します。
商材を提案する部署や担当者が決まり次第、商談のアポイント獲得やメールでの情報提供など、顧客との関係強化を図ります。顧客の購買意欲を高めるには、インテントデータを活用し、顧客が求めている情報を適切なタイミングで提供することが重要です。
たとえば、サービスサイトの料金ページに定期的にアクセスしている顧客がいたとします。この場合「コストダウンに取り組む企業が増えています。貴社でお困りの内容はありませんか?」など、顧客が共感する内容を交えたメールを送ると反応されやすいです。「同じ課題で悩んでいる会社が他にもいる」という印象を与えられ、顧客が商品やサービスの購入に関して相談しやすくなります。
また、SNS上でのやりとりを通じた関係強化も有効です。フォローやコメント、自社商材と関連性の高い投稿の共有などによって、自然な形で購買意欲を高められます。
インテントセールスを行う際に意識すべきポイントは以下の4つです。
内容を詳しく見ていきます。
自社商材に関心が低い見込み顧客と接触しても、すぐに成約に至る可能性は低く、経費の増大や生産性の低下につながります。BtoBとBtoCのどちらを展開していても、自社商品・サービスに対して購買意欲が高い見込み顧客を特定することが重要です。
ただし、提案のタイミングによっては、自社商品・サービスへの関心が一時的に低下している可能性があります。また、時間を空けてから再び見込み顧客に接触すると、すでに競合他社と契約しているケースも考えられるため、慎重な対応が必要です。
見込み顧客の流出を避ける方法は以下の2つです。
ツールを導入すれば、Webサイトの閲覧内容や購買履歴などを分析し、自社商材に対しての関心や購買意欲が低下していないか把握できます。加えて多くのデータがあると、仮に見込み顧客のひとりを失注したとしても、次に接触すべき顧客をすぐに見つけられます。
3rdパーティデータを使ってターゲット顧客を特定する場合、企業名しかわからないケースがありますが、企業名だけでは情報として不十分です。
インテントセールスでは、顧客が求める商品や情報を必要なタイミングで提案することを重視しています。提案の質を高めるには、自社商材の導入によってもっとも利益をもたらす部署を特定しておかなければなりません。見当違いの相手に提案した場合、不信感を与え今後の提案がしにくくなります。
Web広告やSNS、ウェビナーの参加者などあらゆる顧客チャネルを活用し、自社商品・サービスを提案すべき部署や人物を絞り込んでおきましょう。
ターゲット顧客の提案先を特定したあとは、顧客ごとの提案内容を決めていきます。同じ商品・サービスを提案する場合でも、顧客が抱える課題によって提案商材の評価ポイントは異なります。
顧客からの共感を得るにはどのような課題解決が見込める商材か、わかりやすく説明することが重要です。事前に自社サイトへのアクセス履歴や検索エンジンでのキーワードなどを調査し、顧客ニーズを把握しておきましょう。
また、ターゲット顧客と同じ業界や競合他社での導入事例を紹介すると、提案の説得力を高められます。
SFA/CRMを導入すると、これまで蓄積したインテントデータをスムーズに取得でき、インテントセールスの効果を高められます。
SFA(Sales Force Automation)は営業支援システムのことで、担当者の氏名や連絡先、決裁者など、企業ごとの顧客情報をシステム上でまとめて管理できます。既存顧客の商談履歴や販売実績は、提案内容を考えるうえで役立つでしょう。また、案件の受注確率や受注金額、受注予定時期など、商談の進捗状況を可視化することで、優先順位の高い顧客や案件を一目で把握できます。
一方、CRM(Customer Relationship Management)は顧客管理システムを指し、顧客の連絡先や過去の商談履歴、購買履歴など、顧客情報をまとめて管理できます。リピート率や購入金額など、蓄積した顧客情報をさまざまな角度から分析でき、その結果をもとに購買意欲が高い顧客の特定が可能です。
SFA/CRMの導入によって、提案力の向上や営業活動の効率化を実現しましょう。
インテントセールスを成功させるため、SFAやCRMの導入を検討中の方には、ジーニー株式会社が提供する『GENIEE SFA/CRM』をおすすめします。
『GENIEE SFA/CRM』は、定着率99%を誇るSFA/CRMです。顧客管理や商談管理、活動履歴管理など多くの機能を搭載しており、営業活動の効率と提案の質を高めるのに役立ちます。
また、MAとの連携にも対応しており、購買意欲の高い見込み顧客を効率的に絞り込めます。設定から運用まで、手厚いサポート体制が望めるため、はじめてSFAやCRMを導入する企業でも安心できるでしょう。まずは資料請求や無料トライアルを利用し、操作性や機能性を体験してみてください。
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ここでは『GENIEE SFA/CRM』の導入によって、営業活動の効率化や無駄な費用の削減に成功した企業事例を2つ紹介します。
順番に解説するので、自社の場合だとどう活かせるか考えながら読み進めてみてください。
スマートソーシャル株式会社は、システムやアプリ、Webサイト開発などを手がける企業です。『GENIEE SFA/CRM』の導入によって無駄な行動が可視化され、営業活動の効率化に成功しています。
以前はエクセルで顧客情報や売上を管理しており、提案する商品は各営業担当者に委ねられている状況でした。業務を進めていくうえで大きな問題は発生しなかったものの、経営者は営業担当者の提案力や生産性に関して伸び悩みを感じていたそうです。
『GENIEE SFA/CRM』を導入してからは、売上や購買頻度など数値的な根拠にもとづき、優先すべき顧客を判別できるようになりました。また、顧客情報や商談の進捗状況など、営業活動全般の内容をシステム上で管理できるため、業務の属人化からも脱却できています。
>>「やらなくていいこと」を可視化し、戦略的な営業活動を実現
株式会社アッションは、Webマーケティングを展開する企業です。『GENIEE SFA/CRM』の導入により、営業活動の効率化と無駄な広告費の削減に成功しました。
以前はエクセルやグループウェアを使って、顧客別の案件管理や予実管理、タスク管理を行っていたそうです。しかし、データのグラフ化や見込み顧客の分析など、データ分析に時間がかかっていたため、状況を打破するために『GENIEE SFA/CRM』の導入を決断。
見込み顧客の流入経路やキーワードなどの分析によって、購買意欲の高い見込み顧客を特定できるようになりました。また、成約率の高い見込み顧客に広告予算を優先して割くことで、広告掲載のコストパフォーマンスも高まったとのことです。
>>「GENIEE SFA/CRM」導入で売上アップと戦略的な営業活動を実現
インテントセールスは顧客の行動履歴に関するデータが多いほど、顧客の関心やニーズを把握でき、提案の質が高まります。データ収集・管理の効率化には、SFAやCRMの導入がおすすめです。
『GENIEE SFA/CRM』では顧客の連絡先や過去の商談履歴、購入実績など、インテントデータをシステム上で一元管理できます。多機能型AI「GPT-4」を標準搭載しており、顧客との商談で得た情報はシステム上に自動で登録できます。
また、中小企業が利用しやすいよう、月額費用が比較的リーズナブルな価格に設定されている点も魅力です。SFA/CRMをお探しの方は、まず資料請求や無料トライアルを利用し、機能性や操作性をご確認ください。
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