LTVを向上させるには?施策やポイント、メリットや成功事例を紹介
LTVを向上させることで、安定した収益確保が望めます。LTVが高い顧客ほど、自社商品・ブランドへの関心や購買意欲が高く、継続した購入が期待できるためです。顧客との関係が深まると、上位モデルや複数商品の提案など、LTVを高める提案もしやすくなります。
しかし、どうやって改善すればいいのか、どのような施策を打てば良いのかわからない方もいるでしょう。
本記事では、LTV向上の必要性やポイント、成功事例などを紹介します。事業収益や新規顧客の獲得数が思うように伸びずにお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。
LTV(Life Time Value)は顧客生涯価値と訳され、1人の顧客がどれだけの利益をもたらすかを示すマーケティング用語です。1人の顧客が取引開始から終了に至るまで、自社商品・サービスを購入した合計金額がLTVに該当します。
LTVの算出方法は商材やビジネスモデルに応じて使い分けるのが一般的です。主な算出方法は以下のとおりです。
商材またはビジネスモデル | 計算式 |
消耗品や日用品などのリピート商材 | 購入単価×購入回数×継続期間 |
BtoB向けの商材 | 顧客別の年間取引額×収益率×継続年数 |
サブスクリプション型サービス | 月間売上÷総ユーザー数×1ユーザーあたりの単価ユーザー単価の算出方法:解約したユーザー数÷月初めのユーザー数×100 |
家電や飲食など売り切り型商品 | 平均購買単価×収益率×購買頻度×継続購買期間 |
LTVを算出すると、自社商材に対する購買意欲が高い既存顧客を可視化できます。購買意欲の高い既存顧客と優先的に商談の機会を設け、収益拡大と営業活動の効率化につなげましょう。
LTV向上によって得られるメリットは以下の4つです。
一つひとつ見ていきましょう。
既存顧客は見込み顧客と比べて、自社商品・ブランドへの関心や購買意欲が高いです。LTVが高い顧客ほど、自社商品・ブランドの購入に特別な価値を見出しており、継続的な購入が期待できます。
既存顧客との信頼関係が深まれば、購買単価や購買頻度改善に向けた提案もしやすいでしょう。また、口コミでの宣伝効果も望めるため、最小限の手間で見込み顧客との接点を獲得できます。
LTVの向上には、既存顧客のLTVを算出し、自社に多くの利益をもたらす優良顧客の可視化が重要です。LTVの低い顧客と多くの商談を重ねても、すぐに購買単価や購買頻度が高まる可能性は低いです。
限られた時間で多くの成果をあげるには、成約率の高い顧客への対応を優先する必要があります。優良顧客は自社商品・ブランドに対する愛着や信頼が強く、継続的な購入が期待できる存在です。
既存顧客のLTVを可視化し、優良顧客との商談を優先に営業活動のスケジュールを組みましょう。優良顧客との関係強化に多くの時間を割くことで、無駄な行動を減らしつつ収益を拡大できます。
>>営業を効率化する方法10選!アイデアや流れ、ツールや成功事例も紹介
既存顧客のLTV向上に注力すると、新規開拓に必要以上の時間と労力を割かずに済むため、無駄なコストを削減できます。
BtoB、BtoCを問わず、商品を提供する企業側の担当者は見込み顧客との接点が持ちにくい状況です。顧客側はスマートフォンや検索エンジンを使って、必要な情報を簡単に収集できます。商材によってはECサイト上で購入もできるため、必ずしも商品の情報収集や購入を目的に営業担当者と接触する必要がありません。
これらの理由から、新規顧客の獲得に必要な費用は既存顧客との関係維持・強化に比べ、約5倍といわれています。既存顧客のLTVを高められれば、少ないコストで収益拡大を実現できます。
顧客のLTVを高めるには、顧客一人ひとりに合った情報発信や提案が必要です。自社商品・ブランドへの購買意欲や関心の高さによって、求める情報が異なるためです。
既存顧客のLTVを算出すると、自社に多くの利益をもたらす優良顧客の傾向やニーズを分析できます。
分析結果は既存顧客との商談や新規開拓、見込み顧客の育成など、さまざまな場面で活用が可能です。顧客ニーズを反映した提案によって、成約率やリピート率が高まる可能性があります。
ここでは、LTVを向上させるポイントと施策を紹介します。
順番に見ていきましょう。
顧客ロイヤルティとは、顧客が自社商品・ブランドに抱く愛着や信頼度を指します。顧客ロイヤルティが高い顧客は、ロイヤルカスタマーまたは優良顧客と呼ばれます。
優良顧客は、自社商品・ブランドの購入に特別な価値を見出しており、他社から新商品が販売されても簡単に乗り換えません。優良顧客が増えるほど、リピート率の改善や購買単価の向上、口コミでの拡散効果など、多くのメリットが得られます。
顧客ロイヤルティを高める方法には、ロイヤルティプログラムの実施や顧客体験の見直しなどが必要です。どの施策を実施する場合でも、事前に現状の課題や顧客ロイヤルティの高さを把握しておく必要があります。
顧客1人あたりの平均購買単価が高まると、収益拡大やLTVの向上につながります。単価を高める方法は、売り方の見直しと商品の品質改良、大きく2つに分けられます。
それぞれの具体的な施策は以下のとおりです。
売り方の見直し | 商品の値上げを実施セット商品の提案複数の価格帯を設定優良顧客向けの限定価格を設定送料無料の価格帯を設定 |
商品の品質改良 | 商品の機能性や操作性の向上新機能の追加味の見直しパッケージデザインの見直しカスタマーサービスの拡充 |
売り方の見直しには、アップセルやクロスセルの提案もあげられます。
アップセルやクロスセルを行う際は、提案のタイミングが非常に重要です。提案のタイミングを間違えると、今後同じ顧客への提案が難しくなります。
最適なタイミングで提案するためにも、普段の商談から顧客が抱えている課題を聞き出す意識が大切です。
購買頻度を高めるには、顧客一人ひとりが求めている情報を必要なタイミングで提供することが重要です。自社商品・サービスに対する関心や購買意欲が高まらないと、購入は望めません。
ECサイトでの購買履歴やサイトへのアクセス頻度、商談内容などから、顧客の興味や購買意欲を把握します。収集したデータをもとに、新商品販売やイベントの告知、キャンペーンの開催などの情報を発信し、顧客との関係強化を図ります。
また、顧客ロイヤルティや顧客満足度を測定するのも有効です。自社商品・サービスに問題があるのか、販売方法に問題があるのか、測定結果から顧客の不満やニーズを可視化できます。
サブスクリプションサービスを提供している企業にとって、解約率は重要な指標のひとつです。思うように新規顧客を獲得できなくても、既存顧客の解約率が低ければ安定した収益を確保できるためです。
解約率は「解約した顧客数 ÷ 開始時点の総顧客数 × 100」で算出します。たとえば、月初めに2000人いた登録者が、月末に1800人になったとしましょう。解約者は200人のため、解約率は「200 ÷ 2000 × 100 = 10%」になります。
2025年1月にRecurly Researchが実施した調査によると、平均解約率は4.1%です。業種によっても異なりますが、ロイヤルティプログラムの提供やサポート体制の強化などを実施し、なるべく解約率が低くなるようにしましょう。
参照:How Your Customer Retention Rate Compare by Industry | Recurly
LTVの向上には、顧客管理にかかる費用の削減も必要になります。購買単価や購入頻度が高まっても、顧客との関係維持や新規顧客の獲得に必要な経費が増えた場合、LTVの向上にはつながりません。
顧客管理・関係維持の費用を減らす方法には、ITツールの導入が有効です。MAやCRMを導入すると、顧客情報をシステム上でまとめて管理できます。
メール配信やWebフォームの作成、広告連携などの機能も活用すれば、マーケティング業務を効率的に進められます。
LTVを高める施策に有効なツールは以下の2つです。
MAは見込み顧客の管理や育成に関する業務、CRMは顧客管理を効率化できるツールです。順番に詳しく解説します。
MA(Marketing Automation)とは、見込み顧客との関係強化に必要な業務を効率化できるシステムです。見込み顧客の情報管理やスコアリング機能を搭載しており、自社商品・ブランドに関心の高い見込み顧客を可視化できます。
メール配信やSNS広告との連携、問い合わせフォームの作成など、マーケティング関連の機能も多数搭載しており、不特定多数の方へ効果的な情報発信が可能です。顧客ニーズに応じた内容の発信によって、営業活動の効率化とLTV向上につなげられます。
また、CRMやSFAとの連携によって、顧客情報や商談の進捗状況など、各種データをスムーズに共有できます。
CRM(Customer Relationship Management)とは、顧客情報全般を管理するシステムです。担当者の連絡先や過去の購買履歴、商談内容などを記録します。顧客一人ひとりの関心やニーズを把握し、最適なタイミングで提案することで、LTV向上につなげます。
ステップメールの配信や問い合わせフォームの作成などの機能も搭載しており、営業活動の効率化も図れるでしょう。CRMによっては見込み顧客の管理やMAとの連携にも対応しており、見込み顧客との関係強化にかかる工数も削減できます。
>>CRMを導入するメリットは?得られる効果やデメリット、成功事例を紹介
LTVの向上には購買頻度や購買単価の向上とともに、顧客管理費用の削減が重要です。顧客管理費用を削減する方法には、CRMやMAの導入があげられます。CRMの導入を検討中の方には、ジーニー株式会社の『GENIEE SFA/CRM』がおすすめです。
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『GENIEE SFA/CRM』の導入によって、LTVが向上した事例を2つ紹介します。
自社の現状と照らし合わせながら読み進めてみてください。
松江リース株式会社は、島根県松江市でメンテナンスリースとファイナンスリースを提供する企業です。CRMの導入前は顧客情報や販売実績、商談の進捗状況をエクセルで管理していました。
エクセルでの管理は、データの集計や必要な指標の抽出に多くの時間がかかります。『GENIEE SFA/CRM』の導入によって、商談の進捗状況や売上の達成状況が一目で把握できるようになりました。
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3年目には物件の取得率が最大約202%増加する見込みで、営業活動の効率化と収益拡大の両立に成功しています。
>>導入2年で受注率50%増!「GENIEE SFA/CRM」と「GENIEE BI」をかけ合わせてデータ分析を加速させた金融業界・松江リース様の事例
株式会社FLIGHTSはドローンの販売や空撮代行など、ドローン関連のサービス全般を提供する企業です。以前は外資系企業のSFAを使っていたものの、操作性に課題を抱えていました。
自社の問い合わせに対する担当者からの返答も遅く、業務に支障が発生していたそうです。現状を打破するため、操作性に優れた『GENIEE SFA/CRM』の導入への乗り換えを決断します。
『GENIEE SFA/CRM』はコストパフォーマンスに優れたシステムであり、以前と比べて、年間の維持費は1/5以下に減少。『GENIEE SFA/CRM』への導入により、生産性向上と顧客管理のコスト削減に成功した事例です。
LTV向上に取り組むと、既存顧客の顧客ロイヤルティを高めることにもつながります。1人でも多くの優良顧客を獲得できると、営業活動の効率化を図りつつ安定した収益確保が望めます。既存顧客のLTVを高めるには、顧客ロイヤルティの向上や顧客管理費用の削減など、さまざまな指標を改善しなければなりません。
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