Salesforce(セールスフォース)のCRMの特徴や機能・企業の向き不向きを解説
Salesforceが提供するCRMであるSales Cloudは、世界中で15万社以上が導入するツールとして、高い信頼を得ています。
営業支援や顧客管理、AI活用など、企業の成長を促進するさまざまな機能が揃っており、ビジネスのDX化を推進する強力なツールです。しかし、多機能ゆえに、ツールの習得時間や導入コストがかかる点も考慮する必要があります。
本記事では、Sales Cloudのおもな機能や強み・弱み、向いている企業・不向きな企業について詳しく解説します。
CRM(Customer Relationship Management)は「顧客関係管理」を指し、企業が顧客との関係を管理・強化するためのツールです。CRMの目的は、顧客情報を一元管理し、営業・マーケティング・カスタマーサポートの各部門で活用することです。
ツールを活用することで、属人化しやすい顧客情報をスムーズに社内共有できるようになります。売上の向上だけでなく、顧客満足度の向上やリピーターの獲得にも効果的です。
CRMのおもな機能は、顧客情報の管理や案件進捗管理といった営業支援、メール配信やキャンペーン管理といった、マーケティングオートメーション機能です。各社で搭載されている機能は異なるので、自社の目的に合ったツールを導入していきましょう。
>>CRMの基本機能一覧|主要4社の比較やSFAとの違い、活用するメリットを解説
CRMは顧客関係を管理し、営業・マーケティング・サポートを統合的に最適化するのに対し、SFA(Sales Force Automation)は、営業活動の効率化に特化したツールです。MA(Marketing Automation)は、リード獲得から顧客育成を支援するツールです。
ツール名 | 役割 |
CRM | 顧客関係を管理し、営業・マーケティング・サポートを統合的に最適化 |
SFA | 商談や顧客管理などのデータや進捗を管理し、営業活動の効率化を実現 |
MA | リード獲得から顧客育成など、マーケティング全般を支援 |
各ツールの役割は異なると同時に、メインで使用する担当者も変わります。SFAは営業担当者が顧客提案を行いながら随時データを更新する一方、MAはマーケティング担当者が活用するのが一般的です。
CRMは営業やマーケティング担当者だけでなく、カスタマーサポートや経営戦略を立案する担当者なども使用するツールです。このように、3つのツールの役割やできることは異なりますが、デジタルツールを活用して業務改善をするという部分が共通しています。
Salesforceには多くのクラウドサービスがあり、その中でも世界シェアナンバーワンのCRMツールがSales Cloudです。Sales Cloudは営業活動を効率化し、売上向上を支援するクラウド型CRMプラットフォームです。
顧客管理や案件管理、営業プロセスの自動化などを一元的に管理でき、営業チームの生産性向上を実現します。
Salesforceは、企業の規模やニーズにあわせて複数のプランを提供しています。各プランは、提供される機能やサポート内容が異なり、上位プランほど高度な機能が利用可能です。
主なプランとその月額料金(税別)は以下のとおりです。
プラン名 | 月額料金(税別) | 特徴 |
Starter | 3,000円 | 小規模ビジネス向けのCRM機能を搭載したプラン |
Pro Suite | 12,000円 | より高度な営業管理が可能なプラン |
Enterprise | 19,800円 | カスタマイズ機能が強化されたプラン |
Unlimited | 39,600円 | 最高レベルのサポートが搭載されたプラン |
Einstein 1 Service | 60,000円 | 頼できるAIとデータが含まれた最上位プラン |
プランによって料金や使える機能は異なるので、自社に合ったものを選択しましょう。
>>セールスフォースの特徴は?大手SFAの機能・料金・サポートを解説!
SalesforceのCRMには、独自の強みがあります。
順番に詳しく解説します。
Sales Cloudは世界で15万社以上、日本国内でも多数の企業に導入されているクラウド型CRMです。大手企業だけでなく、中小企業やスタートアップにも利用され、業界を問わず幅広い業種で活用されています。
高い市場シェアと実績に裏付けられた信頼性が強みであり、グローバルなカスタマーサポートやセキュリティ対策も充実しています。企業のDX推進において、安心して導入できるCRMシステムがSalesforceのSales Cloudです。
Salesforceは、Sales Cloudだけでなく、多数のサービス展開を行っています。たとえば、以下のような多数のツールと情報を統合できる点が強みです。
これらを連携することで、営業・マーケティング・サポートが一元管理され、業務効率と顧客満足度の向上につながります。
>>セールスフォースでは何ができる? 何がすごいかメリット・デメリットから解説
続いて、Sales Cloudの弱みについて詳しく解説します。
順番に見ていきましょう。
Sales Cloudは多機能であることがメリットである一方で、できることが多すぎて、習得に時間がかかる点がデメリットといわれています。基本的な操作は直感的に行えますが、カスタマイズや自動化機能を活用するには一定のトレーニングが必要です。
とくにレポート作成やワークフローの設定、API連携などの高度な機能を使いこなすには、専門的な知識が求められます。導入初期時に学習時間を要する関係で、社内での定着に時間がかかったり、導入後に思ったほど活用できなかったりする点が弱みといえます。
Sales Cloudは初期費用が抑えられるクラウド型サービスですが、長期的なランニングコストは高額になりがちです。基本料金はそこまで高額ではありませんが、求める機能が多岐にわたったり、必要なオプションや追加機能を導入したりすると、想定以上のコストが発生する場合もあります。
また、利用ユーザー数に応じた課金体系のため、企業が成長するにつれてコストが増大する点も懸念材料です。
>>CRM(顧客管理システム)の導入費用はいくら?タイプ別の相場と内訳を解説
Sales Cloudは基本機能だけでなく、多くの追加機能や拡張ツールを提供しています。しかし、求める機能が標準プランに含まれず、オプション扱いになっているケースが多い点がデメリットです。
たとえば、AI分析機能は上位プランへのアップデートが必要であり、結果的に導入コストの増加につながります。導入を検討する際は、事前に自社に必要な機能と費用をしっかり検討する必要があります。
Sales Cloudには多彩な機能が搭載されています。代表的な機能は、以下の5つです。
それぞれ解説します。
>>SFAの基本機能|7つの機能から導入成功のコツまで徹底解説
Sales Cloudの顧客管理機能は、顧客の基本情報から過去のやり取り、担当者情報までを一元的に管理できます。これにより、営業担当者は顧客の詳細な状況を把握し、適切なアプローチを行うことが可能です。さらに、社内に散在する取引情報や関連ドキュメントを統合し、チーム全体で共有できるようになります。
属人化しやすい顧客情報や営業ノウハウをナレッジ化させ、組織全体の営業力を強化します。
商談管理機能では、以下のような商談に関する情報の一元管理が可能です。
関係者間の連携が強化でき、案件の成約率向上に寄与します。
またSales Cloudはマルチデバイスに対応しています。商談前後に外出先からアクセス可能で、リアルタイムに最新情報を入力・確認し、商談に活かすことが可能です。
活動管理機能は、営業担当者の日々の活動やToDoリストを記録し、営業マネージャーがチーム全体の活動状況を把握するのに役立ちます。顧客や商談の画面から簡単に活動情報を入力でき、モバイル端末からは音声入力も可能です。
活動管理を使えば、日報作成の手間を省きながらも、リアルタイムでの状況把握が実現します。
ダッシュボード機能は、顧客管理や商談管理、活動管理で入力されたデータをグラフや表で視覚化し、ビジネスの状況をリアルタイムに誰でも把握できるようにするものです。営業リーダーは組織全体のパフォーマンスを一目で確認し、戦略的な意思決定を素早く行うことが可能です。
Sales Cloudに搭載されたAI「Einstein」は、営業データを分析し、営業担当者の業務効率化を支援します。Einsteinは、過去のデータにもとづいてどの見込み客がもっとも成約する可能性が高いかを予測し、営業担当者に優先的にアプローチすべき顧客を提示してくれるのが特徴です。
また、最新機能のひとつに「AIエージェント」があります。これは顧客からの問い合わせをAIが理解し、最適な応答を行うものです。AIは自己学習を通じて継続的にパフォーマンスを向上できるため、顧客対応のさらなる効率化と向上が見込まれます。
今後も営業向けAI機能はリリースが予定され、さらに営業活用に役立つ機能が追加される予定です。
Sales Cloudの導入に向いている企業の特徴を3つ解説します。
自社に当てはまるか確認してみましょう。
Sales Cloudでは、営業、マーケティング、カスタマーサポートなど、複数の部門が同じプラットフォーム上でデータ共有を行えます。部門間の連携が強化され、組織全体の業務効率が向上します。
とくに、部門間・拠点間の交流が少ない企業にとって、Sales Cloudが情報共有の促進とコミュニケーションの円滑化に寄与するでしょう。
Sales Cloud に限らず、Salesforceの製品は高度なカスタマイズ性を持ち、企業独自のワークフローや権限設定を詳細に構築できます。厳密な社内ルールや独自の承認プロセスを持つ企業でも、柔軟に対応可能です。
Sales Cloudを導入すれば、承認・稟議などが厳しい企業にとって、業務プロセスの効率化が実現できます。
Sales Cloudは多機能であるため、効果的な運用には専門知識を持つ担当者が必要です。
専任の運用担当者を配置することで、ツールの活用度が高まり、導入効果を最大化できます。
導入後に専任の運用担当を配置できる企業であれば、Sales Cloudの豊富な機能を十分に活用できるでしょう。
Sales Cloudの導入に不向きな企業の特徴は以下の3つです。
それぞれ解説します。
Sales Cloudは多機能なツールであり、小規模でシンプルな営業プロセスを持つ企業は、高機能すぎて導入や運用のコストが見合わないかもしれません。シンプルなツールのほうが適している場合もあります。
自社の営業プロセスを見直し、必要十分な機能を備える最適なツール選定をする意識を持ちましょう。
Sales Cloudは多機能であるぶん、導入や運用にかかるコストが高くなる傾向があります。ランニングコストを抑えたい企業は、結果として費用対効果を感じられない可能性があります。
コストパフォーマンスを重視する企業は、ほかのCRMツールを検討するのも一案です。
>>【2025年】CRMツールおすすめ10選を比較|機能や導入メリット、選び方を解説
Sales Cloudはカスタマイズ性が高いぶん、設定や運用には一定のIT知識が求められます。
ITスキルが十分でない企業が導入した場合、思うように使いこなせなかったり、操作の難易度により運用が滞ったりする可能性があります。
また、Salesforce製品は日本人に馴染みがない用語も多く使われており、こうした点からも慣れるには十分な時間とITスキルが必要です。
社員のIT知識に不安がある場合は、直感的でわかりやすいUI/UXを備え、簡単にカスタマイズできるCRMツールを選ぶことが推奨されます。
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SalesforceのCRM『Sales Cloud』は、営業活動を支援する強力なツールです。しかし、すべての企業に最適なわけではありません。部門間の情報共有を重視し、高度なカスタマイズやデータ活用を求める企業には最適ですが、ITスキルが不足している企業や、コストを抑えた導入を実現したい企業には不向きです。
導入前には、自社の課題や目標を明確にし、Salesforceが本当に必要なツールなのかを検討することが重要です。
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