データドリブン営業とは?メリット・デメリットや導入手順を解説
2024.09.20
データドリブン営業とは?メリット・デメリットや導入手順を解説
データドリブン営業とは?
データドリブン営業とは、営業活動において企業が収集したデータをもとに意思決定を行う手法です。これまでの営業は経験や勘に頼る部分が大きかった一方、データドリブン営業では、顧客に関するデータや市場動向など、具体的な数値情報にもとづいて戦略を立てることが特徴です。 データドリブン営業を行うことで、従来の営業では見逃してしまうような顧客の潜在ニーズや購買行動を正確に把握できるようになり、営業業務の精度向上が期待できます。これにより、顧客に対する効果的な提案を実現し、営業の成果を最大化することが可能です。データドリブンの基本的な意味
データドリブンとは、直訳すると「データに駆動される」という意味で、データにもとづいて意思決定や行動を取ることを指します。単にデータを参考にするだけではなく、客観的なデータを主要な根拠として戦略や計画を立てるのが特徴です。 昨今、企業の経営やマーケティング、そして営業に至るまで、データドリブンの考え方は広く浸透しています。具体的な数値にもとづいた精度の高い意思決定が可能になると、注目を集めているわけです。従来のデータ活用との違い
従来の営業活動でも、売上データや顧客の基本情報など、なんらかのデータが使われてきました。しかし、これらは過去の実績や直近の営業成績を確認するために使われることが一般的です。 一方、データドリブン営業ではただの確認ではなく、未来の行動を予測し、戦略に反映させるためにデータが活用されます。 従来のデータ活用は、経験や勘が主導する営業の補完的な役割であるのに対し、データドリブン営業は、データを主軸に置いた意思決定が中心となる点が違いといえるでしょう。データドリブン営業が求められている理由
データドリブン営業が求められる理由は主に2点あります。 まず、顧客の購買行動が多様化し、オンラインでのリサーチや比較検討を経てから購入に至るケースが増加している点です。従来の営業手法では、こうした複雑な顧客行動を把握しきれず、無駄な営業活動や機会損失が生じる可能性があります。 また、市場の競争が激化していることも要因のひとつです。競争が激しい中で企業が成長を続けるためには、データの活用で業務を効率化し、無駄のない営業活動を行うことが求められます。 こうした市場や社会の変化によって、データドリブン営業が求められているのです。データドリブン営業を導入する5つのメリット
それでは、データドリブン営業を導入するメリットについて紹介します。- 営業活動の効率化を実現できる
- 分析したデータの情報をもとに新規顧客を開拓できる
- インバウンドセールスの施策策定にも役立つ
- 数値にもとづいた意思決定ができ業務の属人化を防げる
- 長期的な業績向上と安定した成長を見込める
1.営業活動の効率化を実現できる
データにもとづく意思決定や戦略立案により、従来の営業手法に比べて無駄のない、効率的な営業活動を行えるようになります。 データドリブン営業では、購買履歴や行動データをもとに、より購買意欲の高い顧客に絞って効果的なアプローチを行います。これにより、限られたリソースを最適に活用し、少ない労力でより高い成果を得ることが可能です。 営業活動が効率化されると企業は成約率の向上やコスト削減を実現でき、結果として収益性も向上させられます。2.分析したデータの情報をもとに新規顧客を開拓できる
データドリブン営業の大きなメリットとして、分析したデータを活用して新規顧客を開拓できる点があげられます。取引の頻度や購買額、業種や規模などを詳細に分析することで、自社の商品やサービスに対する興味が高い新規顧客像の推測が可能です。 こうしたデータにもとづく新規顧客のプロファイリングを行うことで、ターゲットとなる見込み客を効率的に絞り込めるでしょう。 従来の営業では、新規顧客を見つけるためにリストや人脈を使ったり、飛び込み営業を行ったりすることが主流でした。一方で、データを駆使することにより、より効果的かつ精度の高い顧客発掘が可能になります。3.インバウンドセールスの施策策定にも役立つ
データドリブン営業の導入によって、インバウンドの増加を目的にした施策の策定ができます。 そもそも、インバウンドセールスとは、企業の広告やコンテンツを通して、顧客自らが製品を購入するよう促す営業手法です。そして、インバウンドを増加させるためには、顧客の購買行動やSNSでの反応などを分析し、ターゲットとする顧客層に響くコンテンツやアプローチを特定することが重要です。 データドリブン営業を行ううえで収集、蓄積したデータは、インバウンドセールスの施策の策定にも役立つでしょう。 インバウンド営業とアウトバウンド営業の違いは以下の記事で解説しています。あわせて参考にしてみてください。 >>インバウンド営業とアウトバウンド営業の違い4.数値にもとづいた意思決定ができ業務の属人化を防げる
数値にもとづいた客観的な意思決定が可能となることで、営業活動の属人化を防げる点も、データドリブン営業のメリットです。 従来の営業では、ベテランの営業担当者が自身の経験や勘を頼りに意思決定を行うことも多く、担当者によってアプローチの質や結果が大きく異なる事例も珍しくありません。このような属人的な営業は、個々の担当者の能力に依存するため、組織全体で均一な成果をあげるのが難しくなります。 データドリブン営業を取り入れることで、個々の担当者に依存しない持続的な成長と、組織全体での一貫した営業活動が実現できるでしょう。 属人化せず、強い営業組織を構築する方法は以下の記事で解説しています。ぜひ参考にしてみてください。 >>営業組織とは?あるべき姿や強い組織の特徴、立ち上げプロセスを解説5.長期的な業績向上と安定した成長を見込める
データドリブン営業を導入することで、企業は短期的な成果だけでなく、長期的な業績向上と安定した成長を見込めます。データにもとづいた営業活動が、持続的に営業プロセスの改善と最適化を促進するためです。 データドリブン営業を通して、顧客のニーズや市場動向にもとづいたアプローチを継続的に行うことで、顧客満足度の向上が期待できます。また、日々のモニタリングから営業戦略の最適化を繰り返すことで、競合に対して優位な立場を維持しやすくなるわけです。データドリブン営業を導入する4つのデメリット
続いてデータドリブン営業のデメリットも紹介します。- 必要なデータの収集や分析にコストと手間がかかる
- データに依存し顧客の存在を無視してしまう恐れがある
- 社内体制の整備が難しい
- 専門性の高い人材を用意する必要がある
1.必要なデータの収集や分析にコストと手間がかかる
データドリブン営業を実践するうえでの大きな課題のひとつに、データの収集や分析にコストと手間がかかる点があげられます。 データを活用して営業活動を効率化し、成果を最大化するには、膨大な量のデータを継続的に収集し精緻な分析を行う必要があります。しかし、このプロセスには以下のように多大なリソースとコストが必要です。- データを収集するためのツールやシステムの導入
- 外部データや市場データの取得
2.データに依存し顧客の存在を無視してしまう恐れがある
データドリブン営業は、データにもとづいた合理的な意思決定を可能にします。一方で、データに過度に依存してしまうと、顧客の感情を見落としてしまうリスクもあります。 顧客一人ひとりのニーズや感情を軽視してしまうと、信頼関係の構築が難しくなり、営業活動において本来重要な人間関係が疎かになる恐れもあるでしょう。 このようなリスクを避けるためには、データの活用とともに、顧客との直接的なコミュニケーションや、営業担当者の感覚・判断力も併用するバランスの取れたアプローチが必要です。3.社内体制の整備が難しい
データドリブン営業を導入する際、既存の営業手法とのギャップが大きく、社内体制の整備が滞る場合があります。 従来の営業活動は、営業担当者の経験や勘に依存する部分が大きく、個人の裁量で進められてきました。そのため、データにもとづいたアプローチへの移行に抵抗を感じる社員や、デジタルツールの利用に慣れていない社員がいる場合、導入がスムーズに進まないことがあります。 データドリブン営業を導入する際は、従業員に対して段階的に教育を進め、成功事例を共有しながら徐々に移行していきましょう。4.専門性の高い人材を確保する必要がある
膨大なデータを収集し、それを正確に分析して営業活動に活かすためには、データ分析に精通した専門的な知識とスキルが必要です。しかし、これらのスキルをもつ人材の用意が、企業にとって大きな課題となるケースも少なくありません。 具体的には、データ分析を行うための基礎知識として、統計学やデータサイエンスのスキルが求められます。また、データを読み解き、そこから戦略的な営業戦略を導き出す能力も重要です。 このように、データドリブン営業の成功には、データを扱うスキルをもった人材の用意が必要であり、教育コストや時間、外部リソースの活用などさまざまな要素を考慮しなければなりません。データドリブン営業を導入する手順5ステップ
データドリブン営業を成功させるためには、正しいステップを踏む必要があります。- 目的と目標の明確化
- データ収集
- データ分析
- 営業戦略への反映と実行
- 成果のモニタリングと最適化
1.目的と目標の明確化
データドリブン営業を成功させるための最初のステップは、営業活動における目的と目標を明確にすることです。この段階で具体的なゴールを設定しないと、どのデータを収集すべきか、どのように活用すべきかが曖昧になり、効果的なデータ活用ができません。 たとえば、新規顧客の開拓を目指すのか、既存顧客との関係強化を図るのかによって、注力すべきデータや戦略が大きく異なります。さらに、短期的な目標だけでなく、長期的な営業活動の成長も見据えて設定しましょう。 これにより、営業活動全体が一貫性をもち、効果的なデータドリブン営業を推進できるようになります。2.データ収集
目標が明確になったら、その目標達成に向けてどのようなデータが必要かを特定し、適切にデータを集めましょう。具体的には、主に以下のようなデータが収集されます。データの種類 | 詳細 |
顧客データ | 顧客の基本的な属性情報(企業規模、業界、所在地など)や、過去の取引履歴、購買履歴など |
行動データ | 顧客のWebサイトでの行動履歴や、メールの開封率、問い合わせ回数など |
市場データ | 業界のトレンド、競合他社の売上データなど |
3.データ分析
データの収集後、蓄積された顧客データや市場データを用いて、営業戦略に役立つ情報を抽出します。 データ分析は、単に数字を確認するだけでなく、そこから顧客の行動パターンやニーズ、トレンドを読み取り、営業活動に反映できる具体的な指針を得ることが目的です。そして、データ分析で得られた情報をもとに、顧客のセグメンテーション(分類)や購買傾向の分析を行います。 データ分析を行う際には、SFAやCRM、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールなどを利用します。 【関連記事】SFAのデータ分析は重要?効果や手法、効果を高めるポイントを解説 なかでもおすすめの営業管理ツールは『GENIEE SFA/CRM』です。定着率は99%を誇り、規模に限らず多くの企業で導入されています。 直感的な操作画面と優れたコストパフォーマンス、数々の企業課題を解決する多機能が特徴であり、多くの組織で活用されています。詳細は資料請求や15日間の無料トライアルでお試しください。 >>「GENIEE SFA/CRM」の資料請求はこちら >>「GENIEE SFA/CRM」の無料トライアルはこちら4.営業戦略への反映と実行
データから得られた顧客の情報をもとに、具体的な営業戦略を立案し、実行していきます。 データにもとづいた根拠のある戦略を実行でき、営業成果の最大化が可能です。 たとえば、購入意欲の高い顧客には、特典やタイムセールの情報をタイミングよく提供することが有効です。他にも、リピート購入が期待できる顧客には、定期購入の提案や長期的な割引プランの提示など、顧客のニーズに合わせた提案が効果的でしょう。 このように、データ分析の結果を営業に活用することで、顧客ごとに最適な接触方法やメッセージを設計できます。5.成果のモニタリングと最適化
戦略実行時には定期的にその成果をモニタリングすることで、設定した目標に対してどの程度達成できているかを評価し、必要に応じて調整を加えることが大切です。 具体的には、特定のアプローチが思ったほど効果をあげていない場合、ターゲット顧客やアプローチ手法を見直す必要があります。一方で、成功している戦略があれば、それを他の顧客セグメントにも展開する柔軟な対応が重要です。 データ分析の結果をもとに、戦略の改善を繰り返すことで、営業活動の精度を高め、成果を持続的に向上させられるでしょう。データドリブン営業を支援するツール『GENIEE SFA/CRM』
データドリブン営業を効率的に行うためには、営業活動のあらゆる段階でデータを収集・分析し、それを活用していくことが不可欠です。その際に強力な支援ツールとなるのがSFA/CRMツール『GENIEE SFA/CRM』です。 『GENIEE SFA/CRM』は、営業プロセス全体をデジタル化し、営業活動における各段階のデータを一元管理できます。これにより、営業担当者はリアルタイムで必要なデータにアクセスし、分析結果をもとに最適な営業戦略を立てられるでしょう。 さらに、AIを活用した予測分析機能「GENIEE BI」も搭載されており、過去のデータから将来の営業成果を予測し、最適なアプローチ方法を導き出すことが可能です。 『GENIEE SFA/CRM』を活用することで、データを軸とした営業活動の効率化だけでなく、営業成果の向上や長期的な事業成長の実現が期待できます。 >>「GENIEE SFA/CRM」の資料請求はこちら >>「GENIEE SFA/CRM」の無料トライアルはこちらデータドリブン営業で日々の営業を効率化しよう
データドリブン営業は、データを活用して営業活動を最適化する新しいアプローチです。従来の経験や勘に頼った営業手法とは異なり、正確なデータにもとづいて営業戦略を立てることで、営業の効率を向上させられます。 データを収集し、分析することで顧客のニーズを深く理解し、的確なアプローチの実行が可能です。また、SFAやCRMツールを活用することで、営業プロセスの可視化や効率化が実現できます。 『GENIEE SFA/CRM』は定着率99%を誇る国産のSFA/CRMです。導入すれば、データをより効果的に活用し、営業成果の最大化が期待できるでしょう。 詳細は資料請求や15日間の無料トライアルで確かめられるので、まずは使い勝手をお試しください。 >>「GENIEE SFA/CRM」の資料請求はこちら >>「GENIEE SFA/CRM」の無料トライアルはこちらSFACRM